忙しい人でも無理せず、ラクに、笑顔で生活を送れる家事のアドバイザーとして、雑誌にテレビにひっぱりだこの本間朝子さん。日経デュアルの読者にもファンが多いのではないでしょうか。ご自身も共働きで、結婚当初は家事と仕事の両立に悩んだという本間朝子さんに、「知的家事プロデューサー」という肩書に込めた思いと、共働きへのアドバイスをお聞きしました。

専業主婦の母と同じようにできないと悩んでいた営業職時代

 皆さん、こんにちは。「知的家事プロデューサー」の本間朝子です。

 日経デュアルは共働きの方がメインの読者ということですが、皆さん、必ずしも家事は得意ではないと思います。世代的には恐らく私と同じくらいだと思いますので、お母様が専業主婦で、結婚するまで家事全般を母親にやってもらっていたという方が、男女問わず、いらっしゃるのではないでしょうか。家事に苦手意識があるまま、やらなければいけないのでこなしているけれど、本当はもう少し効率よく生活を回したい。そんなふうに日々感じている方が多いのではないかと思います。

 実は私もそうでした。母親が専業主婦の家庭に育ち、結婚するまではほとんど家事をしたことがありませんでした。結婚後は共働きになりましたが、家事は私がやるべきだと思っていて、しかも、母親のように完璧にやらねば、と思い込んでいたのです。でも、仕事はノルマのある営業職。休みも隔週しかありませんでした。

 平日は夜帰宅してから夕飯づくり。もうすぐ夫が帰ってくる時間なのに、食事が出来上がらずに「どうしよう」と私一人で勝手にハラハラ(夫は何とも思っていなかったようなのですが)。夜中に洗濯物を干しながら、「なんで私は母のようにできないのだろう、もう無理!」と思っていました。

 今思えば、共働きのそんな状況で、専業主婦の母(しかもベテランです)と同じようにやるなんて、無理だとわかります。でも当時の私はそんなことさえわからず、がむしゃらに仕事に家事に取り組んでいました。

 職場には、私以外にも働く主婦がいましたから、皆さんどんなふうに家事を回しているのだろうと聞いてみましたが、返ってくる答えは「私のほうが教えてほしい」ということばかり。働く主婦は皆悩んでいたのです

本間朝子さん。ビジネスの考え方を基にしたシステマチックな家事のメソッドを提案している
本間朝子さん。ビジネスの考え方を基にしたシステマチックな家事のメソッドを提案している