心優しい人ほど、捨てられず、モノが入って来てしまう
家の中にはモノが増える一方。ごちゃごちゃで、何とかしたい。キッチンの動線も悪い。時間がなくて、なかなか改善に取り掛かれないでいませんか?
でも、先ほどお話ししたように引き出し1段は15分あれば整理できます。「整理・収納」はベイビーステップで進められるのですが、それさえも難しいときもありますね。そんな方にもう一つアドバイスです。
「整理・収納」の手前に「家にモノを入れない」というステップがあります。そう、皆さん、やすやすと家にモノを入れすぎてはいないですか? ペットボトル飲料のおまけのマスコット、着るかわからないおさがりの服、フリマで安かったブランドの器……。思い当たることも多いのでは?
家の中にモノを入れさえしなければ、整理も収納も必要ありません。
簡単にモノを家に入れてしまいがちな人やモノを捨てられない人って、実はとても心が優しいんです。共感性が高く、感情移入しやすいのでしょうね。だからといって、「入れ放題で捨てない」暮らしをしていたら、いつまでたっても家事はラクになりません。「服はハンガー○本分」、「ボールペンは○本」、「食器は食器棚に入るだけ」と、必要な量はきっちり決めておきましょう。そうすれば感情を動かすことなく、「いる・いらない」の判断がシステマチックにできるようになるでしょう。
日ごろ、ビジネスの最前線にいるワーママ&パパの皆さんは、仕事で培ったものの見方や考え方を、ぜひ家事にも向けてみてください。時間をかけられない代わりに少しお金を投資しようとか、こんなところに「見えない家事」があったから家族でシェアしようとか、いろいろな解決策が見つかると思います。共働きだからこその「知的家事」で家族の笑顔を増やしていってくださいね。
(文/日経DUAL編集部 福本千秋 撮影/花井智子)
知的家事プロデューサー