家事をラクにする答えはビジネス本の中にあった

 当時、私はビジネス書を読むのが趣味で、工場見学に行くのも好きでした。特に、工場で生産性を上げるためのシステム作りに興味があり、そういった本を読み漁っていたのですが、あるとき、この考え方は家事にも転用できるのではないか、と思いつきました。

 生産性の高い工場では、「環境整備」を大切にしています。モノの配置や動線、発注の仕組みといったことです。工場というのは基本的にルーチンワークを回していくところです。それは家事も同じです。だったら、家事においてもまず、「環境整備」をしてみようと思ったのです。

 家事というのはこまごましたことが多く、一つ一つを覚えておかなければなりません。しかし、そのころ、家の中は整理収納もできていなくて、頭の中もごちゃごちゃな状態でした。そんな状況で、家のことも仕事のことも考えられるわけがありません。仕事で疲れて帰ってくる私は、考えずに家事を進められるようにしたかったのです。それに必要なのが「環境整備」でした。

15分と決めてキッチンの引き出しを整理した。その結果は?

 私は家事の中で、料理はとても好きなのですが、掃除は大の苦手です。そこで、キッチンの「環境整備」から手を付けることにしました。働きながらなので一度には進められません。まず15分だけやってみようと思って整理したのが、お玉や菜箸の入っている1段の引き出しでした。

 その引き出しは、最もよく使うものを入れていたところだったので、出し入れするたびに菜箸が引っかかりストレスを感じていました。それが、ほんの15分整理しただけで、劇的に使いやすくなり、見た目もよくなった。たったの1段でしたが、その1段を整理した効果はとても大きいものでした。これがわが家の「環境整備」を整える大きな一歩になりました。

 短時間でも、とにかく行動することによる効果を感じた後は、少しずつ、整理・収納を見直していきました。そして、設計の考え方も取り入れながら、キッチン全体の「環境整備」が整ったのです。

本間さん自身も、キッチンの引き出し1段、15分の作業で「環境整備」の大切さを実感したそう
本間さん自身も、キッチンの引き出し1段、15分の作業で「環境整備」の大切さを実感したそう