社会人として自立した生活を送るために欠かせない“お金”の知識。しかしながら、そのイロハについてしっかりと学んでから社会に出たという人は、ほとんどいないのではないだろうか。

 結果、軽い気持ちで借金を重ねてしまったり、大きな買い物で損をしてしまったりと、金銭トラブルが人生の足枷に…。そんな経験をわが子にはさせたくないと思いながら、金銭教育の機会を作れずにいる読者は多いはず。

 「自立した人生を送るためのお金の知識こそ、学校教育で教えられるべき」

 そんな信念をもって、これから社会に出ていく子どもたちに向けた金融経済教育の取り組みが行われている。

「28歳になったときに社会で活躍できる女性を」とプロジェクト

 主催するのは、これまで延べ40万人以上に資産運用や家計管理などのノウハウと学びの場を提供してきた社会人向け総合マネースクール「ファイナンシャルアカデミー」。代表の泉正人さんはその意図についてこう話す。

 「将来に対して漠然とした不安を抱え、豊かな生活を送ることをイメージできず、夢を持てない子どもたちが増えています。そんな時代に、ひとりでも多くの子どもたちに人生と切っても切り離せない“お金の教養”を身に付け、明るい未来に向かって進んでいってほしい。そんな思いから、2012年より中学生・高校生向けに授業を行っています」

 その実践の場となっているのが、名門私立校として知られる東京品川区の品川女子学院高等部。家庭科教諭の丸山智子先生によると、同校は「28歳になったときに社会で活躍できる女性を育てる」という人づくりプロジェクト、“28プロジェクト”を推進しており、その一環としてお金の教養を身に付けるプログラムを家庭科教育に取り入れたという。

 「ライフプランを考えるときに、お金は切り離せません。私自身も初めて一人暮らしをしたときに『生活するのにこんなにお金がかかるのか』と驚いた経験があります。当校で学ぶ生徒たちには、社会に出る前の準備としてお金の知識を備えてもらいたいと導入しました。家庭科の授業は高校2年生までで終了するので、その締めくくりとしてお金の知識を身に付けてもらいたいと思っています」(丸山先生)

 高校2年生の家庭科の時間、3学期の4~5コマ(1コマ50分授業)を使い、試験範囲にも含まれる正式な授業。まず家庭科教諭が「一人暮らしにかかるお金」について授業を行った後、ファイナンシャルアカデミー講師を招いての「お金の教養講座」を実施しているそう。

 今回、特別に公開されたその授業内容は、驚くほど実践的なものだった。

品川女子学院高等部で外部講師を招いての「お金の教養講座」が開催された

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