いよいよ4月。この春、子どもが保育園デビューしたママ・パパに向けて、人気保育士の「てぃ先生」がアドバイスします。記事の後半では、てぃ先生が登壇した保育士向けイベントの様子もリポートします。

保育士は保育のプロ。安心して子どもを委ねて

 ご入園、おめでとうございます。保育士の「てぃ先生」です。初めての保育園生活、分からないことばかりで不安がいっぱいだと思います。

 でも、保育士はその名の通り「保育のプロ」です。風邪を引いたときに「お医者さん」という「医学のプロ」に看てもらうのと同じような気持ちで、保育士を信頼し、お子さんを委ねてください。

 保育園では例え0~1歳の赤ちゃんでも、一人一人が成長できる保育計画を立てています。子どもの個性に合った保育を行い、発達を促していきます。「赤ちゃんのうちから預けるなんてかわいそう」と言われることも未だにあるようですが、保育園に預けることは、子どもにとって決して悪いことではありません。むしろ、「プロと一緒に子育てをする」のだと、プラスに捉えてみたらいかがでしょうか

 育児と仕事の両立生活が始まったママ・パパは、家に帰ってくるとヘトヘトですよね。そんなときは、ただ、子どもを笑顔でギューッとしてあげてください。それだけで、「あなたが大事だよ」の気持ちは伝わります。疲れているときに、子どもに「何か教えなくては」なんて考えなくてもいいんですよ。

 これは僕の私見なのですが、共働きのママ・パパはもっと保育士に頼ってもいいと思います。仕事と家事だけでも大変なのに、「あれこれ教える」なんて、難しいですよね。もちろん、できること、できないことはありますが、「子どもにこんなことをしてあげたいのだけど」ということがあれば、ぜひ保育士に相談してみてください。

保育士もママ・パパと話したがっています

 実は、保育士って、保護者との距離の取り方に悩んでいる人が多いんです。入園してすぐの時期だからこそ、ママ・パパと色々なことを話したいけれど「忙しいのではないか、どこまで踏み込んでいいのか」と気にしています。もしかして、ママ・パパも保育士に対してそう思っているかもしれませんね。

 だから、ぜひ積極的に保育士に話しかけてみてください。「そのエプロンかわいいですね」とか「桜が満開になりましたね」なんて他愛もないことからでいいと思います。「今日はすごく忙しくって」とか「家では離乳食、全然食べないんです」と仕事のグチや育児の悩みを言ってくれてもいいです。

 保育の最中などはゆっくり話せないかもしれませんが、保育士もうれしいはずです。「入園してから家での様子が気になる」、「発達で気になるところがある」というように、じっくり話したほうがよい内容であれば、別に時間を取ったほうが良いと思います。連絡ノートに書くなどして、相談を持ち掛けてみてください。

「お別れの儀式」はあっさりがおすすめ

 ママ・パパとお別れのときに子どもがワンワン泣いてしまう。そんなとき、ママ・パパは不安ですよね。中には涙を浮かべながら保育園を後にする方もいます。「こんなに小さいのに預けて」と罪悪感にさいなまれ、後ろ髪を引かれながらお仕事に向かっているかもしれませんね。でも、どうぞ心配しないでください。連絡ノートにも書いてあるかもしれませんが、たいていはお別れの5分後にはケロッとして遊び始めます。

 「ギューッとハグしてバイバイね」とお別れの儀式をされる方もいます。親子の絆を確認するとても良い時間ですね。しかし、これをじっくりやりすぎると、お互いに別れがたくなり「もう1回ギューね」と儀式が長引いてしまったりしがちです。

 それを毎日できればよいのですが、ママもパパも忙しいですから「今日は急ぐからごめんね」という日もある。そうすると子どもとしては「いつもはギュー、ギューなのになんで?」となってしまいます。

 お別れの儀式は、パンとハイタッチして「〇〇ちゃん、がんばってね。じゃぁパパ行ってくるね」くらいあっさりしたものでも気持ちは伝わり、子どもは納得できます。そのほうがママ・パパも毎日の負担は少ないのではないでしょうか。「いやいや、ウチは『じっくり型』で」という場合も、1度やったらそれで終わりというようにし、子どもがグズグズしていても、サッと行ってしまいましょう。