どうやってグローバル企業で出世できたか?

「外資系企業では、スポンサーやメンターといった上司の存在がキャリア展開のきっかけになる」と羽生編集長
「外資系企業では、スポンサーやメンターといった上司の存在がキャリア展開のきっかけになる」と羽生編集長

── はい、ではさらにつっこんだ話題です。ズバリ、おふたりはどうやって外資系の有名企業でそんなに出世ができたのか? ということです。キャリアの伸ばし方、スキルアップ、コミュニケーションの方法など本音をお話しください。

横塚 まず 1社目は営業、次からがマーケティングを担当しましたが、どちらの会社にもそれぞれ恩人みたいな存在の上司がいました

 最初の会社では、営業のイロハを教えてくれた方が「女性がお茶くみをする必要はないが、あなたがあなたらしくいるために、きちんと責任を持った仕事をしていかなければいけない」とずっと言ってくれました。なので「仕事は絶対辞めない、自分のやりたいことを形にしていくということ、それが仕事」ということも学びました。

── その方は、メンターとは違う ?

横塚 違うと思います。仕事が終わった後によく飲みに行って将来の自分についてや、この先この会社がどうなっていくのかとか、そういったことを非常によく話す間柄でした。

── 「この子は今後伸びるだろう」と期待されていたんでしょうね。そこにちゃんと飛び込んだということですね。

 外資系の企業ではよく言われていることですが、会場の皆さん、「スポンサー」という存在をご存知でしょうか。メンターとは違い、スポンサーは抜擢して活躍のチャンスを与えてくれるといった、具体的な機能を伴った同僚・上司という存在です。男女の区別はありません。

横塚 その方々はスポンサーではないのですが、似たような存在であったと思います。会社にいると「この人に学びたい」と思える人は必ずいるので、そういう人のいいところを真似させてもらう方法はあると思います。

 それから私が非常に気を使っているのは、そういった上司から時々もらうことができるフィードバックです。言われたことを聞き漏らさないようにして、内容を書き留めておく。そして自分のやり方を直していく努力を必ずしています。

── フィードバックとは、上司から直接言われた指摘という意味ですか? いいことばかりでなく?

横塚 そうですね。もうちょっとニッコリ笑えとか(笑)。ちなみに私の去年の目標は、きちんと笑顔を作るということでした。なんだそんなこと、と思われるかもしれないのですが、誰にも癖があり、人から指摘されたとき「何だよ」と思うのでなく、心に留めておくようにしています。

「あの上司だったらどうするか」を想像する

下村 私がスキルアップについて思うのは「上司、侮るべからず」ですね。私は今まで8年連続でずっと日本人以外の方が上司なんですが、上司というのはすごい存在です

 今はシンガポールの方ですが、その前がドイツ人でした。彼らのスキルやケイパビリティは私とは全く違う。ドイツ人はフレームワークを作るのが上手、アメリカ人の上司はシリアスなことをとっても楽しそうに伝える、そういうところは学びになります。

 「彼女だったら、こういうときどうしたかな」という目線で、ふと立ち止まって自分を振り返るようにしていますね。

── 外資系企業の中で日本人だからと引け目を持つことはなく、対等な言動ができますか?

下村 以前は、日本人特有と言われる「自分に対する自信がない」ということはありました。でもそれをきちんと伝えると、上司は「あなた何を言ってるの!」という感じで、そんなことを言っている暇があったら楽しく仕事しなさい、と諭される。

 ただ、「あなたはPRの仕事なんだから、もがいているのはいいけれど、それは外に見せるものじゃない、折り合いをつけるようにしなさい」とアドバイスもされました。

── 日本人女性として、男社会の中でやりづらさを感じたことはないですか?