いつもの調味料の代わりに梅酢を

 飯島さんも大絶賛されている梅酢は、梅干しを作る工程で出る液体です。なかなか活用されていないのもあって、処分してしまっている業者も多いとか。普通の酢よりも酸味がおだやかで優しい味がして、お酢としてだけでなく、塩分を補う調味料としても気軽に使えそうです。また、梅干しは苦手という人でも、梅酢なら酸味が弱まって食べやすくなるようで、「家庭料理は、気づいたら醤油の味ばかりということもありますが、梅酢を使ってちょっと味を変えてみるのもいいですよ。普段の料理に、醤油半分、梅酢半分にすると馴染みやすく、食べやすいかもしれません」と飯島さん。

 まずはレシピ通りに作ってみて、あとはご家庭の好みで配分を変えたりアレンジしてみるのがおすすめです。また、飯島さんのお気に入りは、梅干しの蜂蜜漬け。お客様が来た時のデザート代わりによく出されるんだとか。ヨーグルトにかけたり、お湯で溶いて飲んだり、ストックしておけば色々な形で楽しめそうです。

梅レシピは和洋どちらにもOK

 さて、最後は梅レシピの実演と試食会です。この日いただいたのは、レシピ本の中から5品。梅酢からあげ、切り干し大根の梅煮、チキンマカロニグラタン、梅じゃこ炊き込み御飯、白玉梅おやき、そして特別メニューとして焼き梅も登場しました。
 どれも梅の酸味と香りはありながら、まろやかで食べやすい味ばかり。梅好きが満足するのはもちろん、苦手な方でも美味しくいただける味に仕上がっていました。特に、みなべ町の郷土料理の梅酢唐揚げは、揚げ物特有の油っぽさが軽減されて、さっぱりしてとても美味しかったです。また、意外だったのが洋風にも合うということ。「マカロニグラタンに梅?」と思いましたが、これが意外とマッチしていました。料理をガラッと梅味にするのではなく、いつもの調味料の半分を梅酢にする、もしくはちょっとだけ加えてみる。それだけでいつものレシピも新鮮に感じられて、食卓も華やぎそうです。

 この日のために、みなべ町から料理を作りに来てくださった31日の梅レシピ制作委員会の皆さんから作り方のポイントなどもお伺いしながら、できたての梅料理をいただき、梅の魅力を存分に感じられたひとときでした。
 美味しくて体に良い、しかも保存も効いて忙しいDUAL世代にもぴったりの梅干しや梅酢を、ぜひこの機会に食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか?

(文/宇野安紀子 写真/木村輝)

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