【トイレの進化】家事の時短や環境配慮につながる最新機器
ここからは、ももせさんのお話にも登場した、進化し続けるトイレの最新機能について見ていこう。
TOTOの「ネオレスト」は美しいデザインと最先端機能を兼ね備えたウォシュレット(※)一体形の便器。汚れにくく掃除がしやすいうえに、除菌や脱臭技術の搭載など、興味深いテクノロジーが凝縮されている。ももせさんが特に興味を持つ機能は次の3つだ。
◇機能_1◇節水効果の大きいトルネード洗浄
便器内で写真のような渦巻状の水流を起こすトルネード洗浄は、少ない水量で便器内の汚れを効果的に洗浄できる。
「中央の水溜りに向かって四方から水が流される従来タイプのトイレでは、壁や床への飛沫が気になることもありましたが、トルネード洗浄はこの点の安心感も魅力です」(ももせさん)
◇機能_2◇なめらかさを極めた陶器表面
便器の表面の凹凸をナノレベルでなめらかに仕上げ、汚れの付着を最小限にしたのはTOTOの「セフィオンテクト」という技術。ガラス層を約1200°の窯で時間をかけて焼き付けることで、美しさ、汚れにくさが持続されるという。
◇機能_3◇環境にやさしい「きれい除菌水」
水溜りの周りを中心に現れる便器の黒ずみの原因は菌。その発生予防に力を発揮するのは、TOTOの「きれい除菌水(*1)」。使用後の便器に吹きかけるだけで汚れ、黒ずみや輪じみを防ぎ、掃除を格段にラクにしてくれる新技術だ。
「きれい除菌水」には、水に含まれる塩化物イオンから作る除菌成分が含まれている。ウォシュレット内部に設けた電解層で水を電気分解して作るため、補充などの手間もない。画期的なのは、時間がたつともとの水に戻る(*2)点だろう。薬剤に頼らないため環境にもやさしい。
「日本中の200カ所以上の家庭用水を集めて、きれい除菌水の精度を高めたという開発プロセスに、トイレメーカーらしい職人的こだわりを感じます」(ももせさん)
「家事時間が短縮され、家族のストレスが減り、暮らしに余裕が生まれる技術は、積極的に取り入れるべき」が、ももせさんの家事哲学だ。インフラで家事が手軽になれば、家事シェアもラクになり、子どももより参加しやすくなる。
「例えば家族でショールームなどを見学し、トイレ周りの最新機器のスペックや機能をチェックするときに、掃除のしやすさが評価基準に加わるのは、家事シェアをしていればこそ、ではないでしょうか」(ももせさん)
もし製品の機能や技術開発のコンセプトに、これからの世代に伝えたい環境への配慮も加味されていると分かれば、選択する意味合いはますます深まりそうだ。
(取材・文/加納美紀 トップ写真/(c)SbytovaMN 構成/太田留奈)
*1 試験機関(一財)北里環境科学センター 試験方法:電解水の除菌効力試験 除菌方法:電解した水道水と菌液を混合し除菌効果を確認 試験結果:99%以上(実使用での実証結果ではありません) 効果効能:「きれい除菌水」は、汚れを抑制するもので清掃不要になるものではありません。使用・環境条件(水質や対象物の材質・形状など)によっては、効果が異なります。水道水を除菌したという意味ではありません。 *2 試験機関(一財)日本食品分析センター。 *3 試験機関(一財)日本食品分析センター(ノズル表面全体および通水路・便器ボウル面の便器洗浄部)、(一財)北里環境科学センター(においきれいカートリッジ) 試験方法:除菌効果試験 除菌方法:電解した水道水により洗浄(ノズル表面全体および通水路、便器ボウル面の便器洗浄部)、電解した水道水により洗浄した後5時間ファンを作動(においきれいカートリッジ) 対象部分:ノズル表面全体および通水路、便器ボウル面の便器洗浄部、においきれいカートリッジ 試験結果:99%以上(実使用での実証結果ではありません) *4 試験機関(一財)日本食品分析センター、(株)東レリサーチセンター *5 試験機関(一財)日本食品分析センター