アメリカの素晴らしさは、ルーキーでも自己主張できること

―― 岩隈さんは3人のお子さんのパパとのことですが、どんな子育てをされていますか?

岩隈 子どもは、中学2年生の長女、小学4年生の長男、そして小1の次女がいます。子どもと同じ気持ちになって遊ぶことが多いですね。

 僕はあまり叱らないです。そのあたりは妻が言ってくれています。役割分担というか、僕はフォローする側ですね。

―― 7年間、アメリカで生活されたわけですが、アメリカの学校と日本の学校との違いは感じましたか?

岩隈 「どんどん発言させて、自己主張できるようにする」というのがアメリカの教育なのかな、と感じますね。うちの2人の娘はどちらかというとおとなしい性格なので、学校の面談で先生から「もっと自己主張してください」と言われます。長男はそうでもないようですね。

 ただ、厳しくはないですね。日本は、朝礼があって、前にならえ! という感じですが、そんなことはありません。そういう集団生活ではなく、みんな楽しそうに学校生活を送っているように見えます。

―― お子さんは日本からアメリカの学校へ転校しました。苦労されましたか?

岩隈 渡米したとき、長女が小学校低学年で現地校へ転校したのですが、やっぱり苦労したと思います。英語を習得しながら勉強してくれて、やっと「楽しい」と思えるようになったようなのでよかったです。

―― 逆に、一番下のお子さんは、生まれてからほぼアメリカ生活ですね。

岩隈 そうですね。幼稚園からアメリカです。英語はいつでもできるようになると思うので、今は逆に日本語を勉強させたいですね。

―― アメリカでの「いじめ問題」についてもお聞きしたいのですが、日本とアメリカでいじめのあり方に違いはあると思いますか?

岩隈 学校での詳しい様子は分かりませんが、先にお話ししたように、自己主張を大切にしている国なので、「いいものはいい、正しいことは正しい」と言える環境なんじゃないかと思います。

 僕が感じているアメリカの素晴らしいところは、どんな人でも発言することです。若い選手であっても、「こうすべきじゃないか」「今は厳しい状況だけど、こうすれば勝てるんじゃないか」ということを、立場関係なく発言するんです。

 まだルーキーで1年目の選手でも、ばんばん言ってくる。これは日本にはないですね。