イタリアの医師で教育学者のマリア・モンテッソーリが約100年前に提唱したモンテッソーリ教育。家庭で実践するのは難しそうと思っていませんか? 子どもをしっかり観察し、タイミングを捉えて働きかけることが大切とされるモンテッソーリ教育。親子で過ごす時間が増えたコロナ下の今は家庭教育に取り入れるチャンスかもしれません。そこで、映画「モンテッソーリ 子どもの家」の監督で、自身も教師養成研修を修了したアレクサンドル・ムロさんに、モンテッソーリ教育のエッセンスを解説してもらいました。

アレクサンドル・ムロ
工学を学んだ後、仏ソルボンヌ大学で美術史を、さらにドキュメンタリー映画ワークショップ「アトリエ・ヴァラン」でドキュメンタリー制作を学ぶ。2009年、物への愛着をテーマにした最初のドキュメンタリー『Poubelles et sentiments(ゴミ箱と気持ち)』を発表。この作品は多くの映画祭で上映された。2014年から教育分野に情熱を傾け、本作の制作に専念。モンテッソーリ教育のことをよく知るため、2015年夏に国際モンテッソーリ協会(AMI)の3~6歳向け教師養成研修を受け始め、2018年に修了。

「子どもの自主性を尊重、親が代わりに考える」どちらが正解?

 コロナ下の生活も2年目に入りました。以前より増えた子どもとの時間をどのように過ごしていますか? 「子どもの好きにさせるよりも、何か知育的な活動をさせたほうが有意義なのではないか」。そんなふうに考えて、子どもは気が進まなそうなのに、親から提案したり、「これをしよう」と誘ったりすることはないでしょうか。

 子どもの好きにさせるのと、親が代わりに考えてあげるのはどちらが正しいのでしょう

 多くの親が抱くこんな疑問を出発点に、モンテッソーリ教育の世界を探求し、映画まで撮ってしまった父親がいます。それは、フランスの映画監督アレクサンドル・ムロさん。

 ムロさんは、娘たちが幼児の時に上記の問いの答えを求めて、フランスにあるモンテッソーリメソッドの幼稚園「子どもの家」に密着。2年3カ月にわたり、教室で子どもたちを観察、撮影しました。子どもたちが活動を自由に選び、満足するまで何度も繰り返すことで成長していく様子を見て、「モンテッソーリ教育の創始者であるマリア・モンテッソーリの理論とメソッドは、子どもの自然な成長に合っている」と実感できたムロさん。その後、自らもモンテッソーリ教育を学び、教師の資格を取ります。

 日本ではモンテッソーリメソッドの施設(保育園や幼稚園、学校)はまだ少ないのが実情です。しかしモンテッソーリの理論に共感し、子育てに取り入れたいという親は多く、親子で過ごす時間が増えたコロナ下はそのチャンスといえます。そこで、2人の女の子の父親でもあるムロさんに、モンテッソーリメソッドの中にある子育てのヒントを聞きました。

フランスの映画監督アレクサンドル・ムロさん。オンラインインタビューで、モンテッソーリ教育によって子どもがどのように育つかを話してくれました。小学生の女の子たちのパパでもあります
フランスの映画監督アレクサンドル・ムロさん。オンラインインタビューで、モンテッソーリ教育によって子どもがどのように育つかを話してくれました。小学生の女の子たちのパパでもあります

次ページから読める内容

  • 「おうちモンテッソーリ」の注意点は子どもが自ら興味を持っているかどうか
  • 時間のリズム、自主性、カリキュラムが特長
  • 異年齢の教室の中で、読むこと、四則演算への興味が引き出される
  • その時代に必要な力を発揮して社会に貢献し、自分で幸せになれる

続きは、日経xwoman登録会員の方がご覧いただけます

ログインはこちら
日経xwoman申し込み
もっと見る