コロナ禍を契機に人々の衛生観念が高まり、浸透し始めた「タッチレス・非接触」。なかでも、水まわりの非接触化への注目度は高く、ここ1年ほどで教育現場への導入が加速、さらに、家庭にも一段と広がりを見せているそうです。健康で豊かな暮らしに欠かせない水まわり設備を取り扱うTOTOの非接触化の取り組み、また、持続可能な社会の実現に向けた事業活動を紹介します。

子どもたちの安全のために「非接触化」が進む学校のトイレ

 自動ドア、キャッシュレス決済、自動水栓など、それ以前から取り組まれていた公共の空間におけるモノやコトの非接触化が、コロナ禍をきっかけに急速に進んでいます。そしてその動きは、子どもたちの生活の場である学校施設にも。特に、トイレや手洗い場などの水まわりでの取り組みが加速しているようです。

 その実態を示しているのが、「学校のトイレ研究会」が2021年8月に発表した、「2020年度全国自治体アンケート調査」。ちなみに、学校のトイレ研究会とは、TOTOなどトイレ関連6社からなる研究活動組織で、発足は1996年です。5K(臭い・汚い・怖い・暗い・壊れている)と言われる小・中・高の学校のトイレを、子どもたちはもちろん公共の施設として地域の人たちが安心・安全に使える清潔で快適な学校のトイレづくりを目指し、啓発活動を行っているそうです。

出典:『2019年、2020年度全国自治体アンケート調査』学校のトイレ研究会調べ
出典:『2019年、2020年度全国自治体アンケート調査』学校のトイレ研究会調べ

 上記のグラフは、学校のトイレにおける感染症対策として実施している項目を全国の自治体にアンケート調査した結果です。注目すべきは、多くの子どもたちが使うトイレの水栓を、手を触れずに使えるよう自動化する「手洗いの自動水栓化」。2019年度の調査では35%だったのが、2020年度には53%と、1年で18ポイントアップしています。学校のトイレ研究会によると、大切なのは手を洗った後は何も触らないこと。手をよく洗っても最後に水栓ハンドルを触ってしまっては菌が手に再付着してしまう恐れがあるそうです。

 また、今後の感染症対策として「手洗いの自動水栓化」が有効だと考えている自治体は80%にのぼったそうです。感染症対策への関心の高さと、習慣化したことが表れています。