夫婦二人の新婚時代、子どもが生まれる前後の出産期、子どもが大きくなってからの子育て後期、そしてまた夫婦二人暮らしに戻っていく…。そんなライフステージによって変わりゆくのは、働き方だけではありません。その時々で必要な住まいも変化していくのです。

 「人生100年時代」と言われる長寿社会が到来しようとしている今、暮らす街も住む家も、その時々に応じて柔軟に変えていく、そんな新しい「住まい計画」が必要です。この特集では、不動産の購入、売買、賃貸、その他二地域居住に至るまで、様々な住まいの在り方を、ライフプランと併せて提案していきます。

 第1回は、LIFULL HOME'S総研所長の島原万丈さんに、「人生100年時代に必要な住まい」の考え方や不動産の出口戦略について伺いました。

【100年ライフの新しい「住まい」計画 特集】
第1回 住まいを考えることは、ライフを考えること ←今回はココ
第2回 都心のマンションを売る、貸す場合の「損益分岐点」
第3回 「ずっと賃貸」だからこそかなう暮らしもある
第4回 二地域居住はコストとメリットを見極めて決断を
第5回 都会で働き、地方で暮らす 選べる未来は無限

子育て期は、人生において最大の広さの住まいが必要

 「働き方改革」が声高に叫ばれるようになり、自分が望むライフスタイルやキャリアを見据えて、働き方を見直していく気運はずいぶん高まってきました。しかし、自分らしい人生を送るためには、働き方を変えていくだけでいいのでしょうか。

 共働きで子育てをしているDUAL読者にとって、パートナーや子どもと日々を過ごす「住まい」は、職場よりも大切な場所のはず。今、働き方とともに柔軟に変えていくべきものは、住まいの在り方であり、暮らし方ではないでしょうか。

 『本当に住んで幸せな街 全国「官能都市」ランキング』(光文社新書)などの著書を持つ、LIFULL HOME'S総研所長の島原万丈さんは「住む場所を考えることは、自分がどう生きたいのかを考えることと同義」と話します。

 「現在、日本の人口の90%以上が『都市』(市内、区内)と言われる地域に住んでいます。都市は、そこに住む人のライフスタイルを大きく規定します。どこの、どんな街で、どのような家に住むのかということは、取りも直さず、自分は日々をどのように暮らしていきたいか、どんな人生を送りたいのかという問いにつながるのです

 現在の30代、40代の親世代までは、都心から少し離れた郊外の宅地にマイホームを購入し、30年以上かけてローンを返済し、老後もその家で暮らす、というようなモデルが一般的でした。父親だけが都心まで満員電車に乗って通勤し、専業主婦の母親は自宅で家事や子どもの世話の一切を引き受ける。まさに働き方に合わせた住まいだったと言えるでしょう。

 しかし、夫も妻も働くようになった現代では、それは効率的とは言えません。夫婦ともに仕事をしながら子どもの送り迎えや面倒を見るためには、通勤時間はできるだけ短いほうがいいでしょう。しかし都心の家は高いので、戸建てよりマンション、それも分譲より賃貸のほうが住み替えも容易です。また職場も、以前のように一つの会社で新卒から定年まで勤め上げるだけでなく、キャリアアップに合わせて転職することも一般的になりました。現代は色々な面で、動くことが難しい固定された住まいより、働き方やライフプランに合わせて柔軟に変えることのできる住まいが求められているのです。

 ましてや、「人生100年時代」と言われるほど長寿社会になりつつある昨今、人生のライフステージによっても必要な住まいは変わってきます。島原さんはこう語ります。

 「住まいは、子どもの数や年齢によっても必要な広さが違います。例えば子どもが2人いるとして、2人とも小学校高学年から中高生になると、それぞれに部屋を与える必要が出てきます。習い事やクラブ活動によっては、大きな荷物を置くスペースも必要になってくるでしょう。つまり、子育て期は人生において最大の広さの住まいを必要とする時期なのです。

 そこに合わせた広さの住宅を購入すると、子どもが独立したときに、夫婦二人で暮らすには広過ぎる家、ということになります。ライフステージによって、必要な住まいは違うのです

 では、家は購入しないほうがいい、ということになるのでしょうか。島原さんは「不動産を購入するときは“出口”を考えておく必要がある」と続けます。

<次のページからの内容>
● 不動産を購入するときは“出口戦略”を持て
● 購入するなら「都心の中古マンション」
● 郊外に住むなら、資産価値が下落しきった物件を
● 住まいに“絶対解”はない
● 子育てしやすい街よりも「多様性のある街」を

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  • 不動産を購入するときは“出口戦略”を持て
  • 住まいに“絶対解”はない

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