夕食を楽にする「つくりおき料理代行プラットフォーム」とは?

 ここで、3人の夕食作りの実態を興味深そうに聞いていたパナソニックの豊岡英里子さんが参加。豊岡さんは、平日の夕食準備を楽にするつくりおき料理代行プラットフォーム「minacena(ミナセナ)」の事業化を進めています。未来の「カデン」を生み出すための、パナソニック社内のプロジェクト「Game Changer Catapult (ゲームチェンジャー・カタパルト)」が主催する公募型ビジネスコンテンストで選出され、現在、サービスローンチに向け、企画・サービス設計を進めているところです。

皆の「mina」とイタリア語で夕食を意味する「cena」を合わせて「minacena」。家族みんなで、笑顔で夕食を楽しんでほしい、という願いが込められている
皆の「mina」とイタリア語で夕食を意味する「cena」を合わせて「minacena」。家族みんなで、笑顔で夕食を楽しんでほしい、という願いが込められている

豊岡さん 私もみなさんと同じく共働き家庭で、小学4年生の男の子と年長の男の子がいます。仕事も自分のことも家族のことも全部諦めたくないと思っているものの、大人2人ですべてのことをカバーするのに限界を感じていました。

 特に、平日の夕食作りは、仕事で頭も体も疲れた後に、さらに頭と体を使って限られた時間で行わなければなりません。私も子どもにおなか空いたと言われながら、髪を振り乱してなんとか作っていました。そこで、メニュー提案、食材配達、料理代行、レシピ提供など、つくりおき料理にまつわるサービスをワンストップで提供する「minacena」を考えたんです。

「ミールキット」「料理代行」「つくりおき料理」のいいとこ取り

豊岡さん いままでも平日の夕食作りを楽にする方法はいろいろあります。例えば、ミールキット。実は私も使っていてとても便利だったのですが、最近使用頻度が減ってきています。セントラルキッチンで仕込んでいるので、種類が少なく飽きてしまうんです。それに1袋2人前の場合、4人家族だと2袋作らなければならず、結局表示時間以上にかかってしまう。料理に時間がかかると結局平日に作ることができず、消費期限が切れてしまう、ということがしばしばありました。

 料理代行サービスによるつくりおきも、来ていただく方のスキルによって、できる料理や品数に差が出ます。さらに、メニューや買い物リストの打ち合わせが必要で、意外と事前の準備に時間がかかります。

 かといって、自分でつくりおきするとなると、なかなか続きません。メニューを考えるのが面倒だったり、レパートリーが少なくて飽きたり、そもそもせっかくの休日がつぶれてしまいます。

 そこで、「ミールキット」「料理代行」「つくりおき料理」の“いいとこ取り”したのが、「minacena」なんです。

平日の夕食準備を楽にする「minacena」
平日の夕食準備を楽にする「minacena」

メニューに連動した食材が自宅に届く

豊岡さん minacenaでは、こんなサービスを想定しています。まずは、スマホでつくりおき依頼をします。1セット10品(主菜5品、副菜5品)のつくりおきセット3つの中から、好きなものを1つ選びます。すると、選んだセットメニューに連動した食材が自動的に注文され、自宅に届きます。食材を注文する必要がないのがポイントです。

 その後、決められた日に料理代行の方が自宅に来て、3時間で10品を作ります。パナソニックには調理家電のレシピがたくさんあるので、そのレシピを活用しながら効率よく調理をし、冷凍しておきます。あとは、アプリが簡単でおいしい仕上げ調理方法を提案してくれます。

 既存の料理代行サービスと違うのは、つくりおき料理のレシピを提供するところです。食べておいしかった料理は、自分でも簡単に作ることができ、レパートリーも増やせます。レシピをお気に入り登録し、ちょっと甘めにしたいなど、好みの味に調整して「マイレシピ化」することもできます。

「minacena」サービスの流れ
「minacena」サービスの流れ