息子を味方につければ、ケンカは回避できる

女性の側からの話を聞いたところで、次は、参加者からあらかじめ集められた質問についてディスカッション。その内容をいくつかご紹介します。

質問1
子どもの前で夫婦ゲンカが始まりそうになったら、どうしていますか?

<回答1>
 「子どもが幼稚園や保育園に行くようになると、『ごめんね』と言われたら『いいよ』って返すように習う。自分も子どもにはそう伝えていたが、自分たちの夫婦ゲンカになるとそうもいかない。ある日、娘がケンカの仲裁に入って、娘が妻に『もうケンカしないで! ママ、ごめんねして!!』と言うので、妻が仕方なく『ごめんね』と言ったが、自分は『大人は“いいよ”と言えないこともあるんだよ』と言ってしまったことがあった。それ以来、娘はものすごく悩んでいたようだ。その話を、娘が中学生になった頃に聞いて、夫婦ゲンカは子どもの人格形成に良くないんだと知った。以来、夫婦ゲンカは一切しないようにしようと決心。理詰めで話すと妻の逃げ道がなくなり、妻の怒りが延々に続いてしまうので、ケンカになったら妻のことを125%尊重しつつ、自分がノーガードのサンドバッグになることにしている」

 

<回答2>
「ケンカになりそうになったら、完全に避けるようにしている。息子が2人いるのですが、『ママがあんなこと言ってるけど、どう思う?』と聞きつつ、息子たちを巻き込んで味方につける。ケンカのときだけ、大きい長男が突如出現するみたいな感じにして、3対1の構図に持ち込むと、妻は『この人と議論しても始まらないな』とあきれた感じになるので、ケンカを回避できる確率はかなり高い。息子2人が常に自分の味方に付いてくれるよう、日々の積み重ねという意味で努力をしている。その時のために常に子どもたちと精一杯遊んでいると言っても過言ではない。ママと3人の子どもという構図に逃げると言うか、自分の立ち位置を子ども並みに下げるといった感じ。『3人の子どもがいるみたいだね』と言わせれば勝ちみたいなところがある。ズルいやり方かもしれないが、それで妻の怒りが収まるので、うまくいっていると思う」

質問2
子どもの教育方針について意見が分かれたときは、どうしますか?

 この質問に関しては、女性側の意見が展開された。

<回答1>
「娘が小学校に進学するときに、私が私立受験派、主人が公立派みたいな感じになってぶつかった。そこでいろいろ話し合って、結局、小学校は公立に行くことに。その後、中学受験はどうしようかとなったときに、また同じようになった。男性は数字によるデータであるとか、論理的な根拠やメリットを示すと納得しやすいということが分かってきたので、私がいいと思う私立中学校の情報を集めて説明。主人も納得してくれたため、娘は現在、私立の中学校を目指している」(前出・阿部真弓さんの回答)

<回答2>
「自分たちが子どもだった頃と教育環境が全然違うし、東大に行けば将来は安泰という時代でもない。子どもの教育については、これが正解ということがないので、意見が分かれてなかなか収束しない時には、子育てについては先輩である友人など、第三者に経験談や、それを踏まえた上での意見を聞くようにしている。その上で、じゃあ、自分たちの子どもに関してはどうしようかと、冷静に話し合いをすることですり合わせをしている」(前出・佐藤さんの回答)