「もんだ症候群」とは?

 「僕でも、育児休暇の時は『ウインナーはタコにするもんだ』みたいな“もんだ症候群”になって焦ってばかり・・・実際、そんなことをしている時間もスキルもないのに。」と山口知事。

 眞鍋さんが自分自身の子育てと向き合えるきっかけになったのはこんな一言だったそう。

 「産後マッサージに行ったときに、『お母さんがんばりすぎですよ。子育ては、いかにがんばるかじゃなくていかに楽をするかっていうことを考えてください』って言われたんです。自分ががんばればがんばるほど、家族を幸せにできるって思っていたけど、逆に楽をするほうが幸せにできるんだっていうことに気づいたことで目からウロコの体験でした。」

育児も家事も上手くいく“ルール”

 最後に、自らの経験を通して見つけた「仕事と家事・育児、そしてママとパパの関係がうまくいく秘訣」を教えてくれました。山口佐賀県知事は、「結局、邪魔しているのは意地と照れ。夫婦でお互いに感謝の気持ちを素直に出していくことで、意地と照れの感情を解いてあげればウインウインになっていくんだと思います。」

 眞鍋さんは「イラっとして相手に何か言うぐらいだったら言わないこと。人の怒りは6秒間で収まるんです。どんなことがあっても、イラっとしたら6秒間無になること。怒りの原因から一旦離れて、別の用事を済ませて戻ってくると向き合えるんです。これって、仕事の人間関係でも使えますよ。」

 そしてもう一つ。

 「怒りの感情は、悲しいとか寂しいとか、最初に感じた感情の後に湧き上がるんです。例えば、旦那さんが何かをしてくれなくて悲しかった。それが、怒りになるんです。だったらその“悲しい”の感情のまま伝える。やってくれなかったことが悲しかったと伝えることで、関係はスムーズにいくと思います。」

 他にも、日経DUALの記事でも紹介された「夫婦間のWIN×WIN交渉術」を披露するなど、大いに盛り上がりを見せた今回のトークセッション。会場の女性たちは、エピソードとともにその日から早速使えそうなテクニックをしっかりと受け止めた様子でした。

日経DUALで大人気だった「脱・ワンオペ育児特集」を紹介しながら、夫婦間の上手な交渉術を観客に伝える羽生祥子編集長。
日経DUALで大人気だった「脱・ワンオペ育児特集」を紹介しながら、夫婦間の上手な交渉術を観客に伝える羽生祥子編集長。

(取材・文/大作麻利)