昨年12月1日に東京ミッドタウンで行われた「WOMAN EXPO TOKYO 2018 Winter」。ブランドプロデューサーとして、数多くのブランドや店舗のプロデュースを手がける柴田陽子さんの講演をリポートします。

 「仕事と人生を『好転』させるルール」をテーマに、経営者として、またワーキングマザーとして大切にしていることを語ってくれた柴田さん。数々のヒットを生み出すうえでの苦労話や、クライアントと接する際のこまやかな気遣いなど、そのパワフルでしなやかな仕事術に、会場中が引き込まれていました。

 皆さん、こんにちは、柴田陽子です。ブランドプロデューサーというのが私の肩書きになるのですが、32歳のときに柴田陽子事務所(通称シバジム)を立ち上げて、今年で16年になります。主な事業はコンサルティング、これはクライアントさんの悩みを解決する事業ですね。あとは、ボーダーズアットバルコニーという洋服ブランドと、飲食店も1軒手がけています。

 「仕事と人生を『好転』させるルール」というのが本日のテーマなのですが、皆さんの人生をうまくいかせるための気づきがあればいいなと思います。

 早速ですが、私が仕事をするうえで大事にしているルールは、次の4つです。

 
Rule1 気配りは想像力
Rule2 自分よりうまくやる人は必ずいる
Rule3 仕事とは自己成長の場
Rule4 自分の物差しを作る

世の中を変えるようなインパクトを巻き起こしたい

 まず、シバジムのお仕事について少しお話しさせてください。NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見てくださった方もいるかと思うのですが、常に20~30のプロジェクトが同時進行していて、それを4つのチームで分担しています。1チームは3、4人の少人数構成で、ディレクター、アシスタントディレクター、デザイナーからなります。私はそのすべてに責任を持ちたいので、書類一つとっても私がチェックしていないものは外に出しません。だから毎日、分刻みのスケジュールです。

 最近は大手のクライアントさんばかりになり、プレッシャーもあります。時代の変化のスピードも15年前と比べて速くなりましたので、ヒットさせる、続くブランドや事業を作るのも大変で、さらに期待も上がって、正直苦戦しております(笑)。

 柴田陽子事務所をどう先導して、スタッフをどこに連れて行けるか。小さな会社だけど、大きなクライアントさん相手に、世の中を変えるようなインパクトを次々と巻き起こして、「今の時代にはシバジムがある」と言われるような強くてたくましい会社になりたい。そして働く人たちも満足できて、生き生きとして、周りから憧れられるような存在になってもらいたい。女性の働き方の一つの見本になれば、頑張っていくかいがあるかなと思って、常に一生懸命やっています。

 

 仕事は結果がすべてだと思っていますので、シバジムには仕事を取りに行く営業はいません。結果を見て、次に仕事を頼んでくださる方がいる限りは続けていこうと、ここまでやってきました。

 その中の一つが、ローソンの「ウチカフェ」です。コンビニの伸びしろは女性客を増やすこと、そして深夜帯の売り上げを伸ばすことだと考えたローソンさんが、ブライベートブランドを再編成したいということで、プロデュースさせていただきました。コンセプトを作って、ブランドにファンをつけて利益を得ることはすべてブランディングです。ファンになるというのは、お客様に感情のやり取りを持たせるということ。お客様にどう思ってもらいたいかがコンセプトになります。かわいいと思ってもらいたければ、お店はかわいく、POPやユニフォームもかわいく。コンセプトを決めた上で、予算とスケジュールを考えながら作り上げていくのがブランディングの仕事です。