究極の短期旅行“半日旅”は「思い立ったが吉日」が大事

 そういった短期で旅を繰り返すスタイルは、当初は海外が中心でしたが、「国内だったらどれくらい切り詰められるのか」を試してみたくなり、それが高じて“東京発半日旅”を始めるようになりました。

 半日旅といっても、1日の半分の「12時間以内の旅」と厳密に定義づけているわけではありません。どちらかというと、旅行に出かけるスタンスの話で、私の場合は突発的に「思い立ったらすぐに行ける旅」を半日旅と考えています。

 一般的な旅行は、交通チケットやホテルを予約したり、観光情報を調べたりして、数カ月前、少なくとも数週間前から準備しますよね。そうではなくて「明日仕事がなくなったからどこかに行こう」とか、休みの日に起きて、「今日することないけど、家でダラダラするのはもったいないからどこかに行こう」とかでいいんです。

 その時々の気分で決めて、計画も行き当たりばったり。大事なのは、勢いです。「よし、行こう!」と思ったら、そのまま家を飛び出すくらいの勢いで旅モードに入るのが、半日旅を楽しむ第一歩です。

 勢いだけで出る旅なので、突然天候が崩れたり、目的の施設が臨時休業だったり、ちょっとしたハプニングに見舞われることもしばしば。でも、何カ月も前から準備していたわけではないので、失敗しても諦めがつきますし、その場で目的地を変えてもいい。今の時代なら、リアルタイムで、SNSで発信することもできるので、トラブルを楽しむくらいに気持ちのフットワークを軽くして、気の向くまま、本能の赴くままに旅します。

 例えば、急に仕事が半休になったときなど、スキマ時間を有効活用できるので、日々仕事や育児で忙しく、なかなか旅行に出られない共働きファミリーには特にオススメしています。

 勝手気ままな自由な旅なので、特に決まりもありません。ただ、私の場合、優先していることは距離よりも時間。なるべくコストパフォーマンスのいい方法を選びたいのですが、いざというときはタクシーを使うなど効率も重視します。東京からだと、あまりストイックになり過ぎると「楽しむ」という第一義が薄れてくるので、フレキシブルなスタンスでいることが半日旅を楽しむコツです。