首都圏に暮らしていたら、中学受験を考えるのは自然な流れ 、地方なら今も公立進学しか選択肢がない……。そんな思い込みに、わが子の人生を当てはめようとしていませんか? 「今いる場所がすべてではない。そこから一歩踏み出せば、学びの場は無限に広がる」、そう信じて未来の教育を切り開いている人たちがいます。

1月12日に都内で開催された、島根県主催の教育セミナー『越境から始まる新しい教育への挑戦』では「しまね留学」(県外に暮らす中学生が、県内の高校を受検し、寮生活を送りながら高校生活を送ること)をはじめとする“越境教育”について、今注目されている教育開拓者の3名が熱く語り合いました。これからの学び場の選択肢の一つとして視野に入れてみませんか。

なぜ、彼らは「教育」に引かれるのか?

 島根県隠岐諸島・海士町から始まった公教育の挑戦。島内唯一の県立高校の廃校の危機を救っただけでなく、島の魅力を全国に広げた島根県教育魅力化特命官の岩本悠さん。 大学在学中にバングラデシュに渡り、同国初の映像授業「e-Education」を立ち上げ、その後も海外の辺境で教育開発をしてきた税所篤史さん。 「勉強のやり方」を教える学習塾「プラスティー教育研究所」代表の清水章弘さん。教育界の開拓者として知られるこの3人のトークセッションが行われました。

 会場は東京・大手町にある「TRAVEL HUB MIX」。ここは、出会い(Meet up)+刺激(Inspiration)+体験(Experience)をコンセプトにした旅の案内所で、観光の枠組みにこだわらず、たくさんの人達とMIX(交じり)ながら、人生の生き方を考える場として、様々なセミナーが開催されています。今回は、学校関係者や島根県の地域活性化に関心が高い人たちの参加が多く見られました。

 トークセッションでは、まず初めに会場から3人のゲストに対して 「なぜ教育に引かれたか?」という質問が挙がりました。

 話を聞くと、この3人には共通点がありました。それは、 学生時代に心を揺さぶる人との出会いや出来事があったということです。

当日のイベントの様子。多くの教育関係者が参加した
当日のイベントの様子。多くの教育関係者が参加した