「この音を聞くと『よし、やるぞ!』ってスイッチが入るんだよね」

 3万7000円(直販価格、税別)と少々お高めなプライスも納得の機能以外にも、「さすがバルミューダ」と感じたことがあります。一つ目は、ライトをつける時にダイヤルを回すと音が鳴ること。バルミューダ代表の寺尾さんは元々ミュージシャンで、「子どもに正しい音階を聞いてほしい」という願いから、取り入れたおまけなんだとか。たった6段でも正しい音階を毎日聞くことで、音感が育つようにということだそうです。実際に動画を撮ってみましたので、ご覧になってください(音が出ますので、ボリュームに注意してくださいね)。

 そのお話を聞いて素敵な仕掛けに感動しながらも、「もっと小さい子ならまだしも、10歳にもなって、このシンプルな音階に喜ぶことはないかなぁ」と内心思っていたのですが、気づくなり、ものすごくテンションが上がっていました(笑)。嬉しそうに、くるくると何度もダイヤルを回して遊んでいます。男子は単純です。さらに、数日間使ったある日、息子からこんな感想が。「勉強する~ってライトをつけて、この音を聞くと、「よし、やるぞ!」ってスイッチが入るんだよね」。デスクライト一つで、なんて有難い話でしょう。それを聞いただけでも、このデスクライトを取り入れて本当に良かったと思えます!

 他にも、寺尾さんが一人の父親としてこのデスクライトに込めた想いは、同じ親としても胸に迫るものがありました。BALMUDA The Lightのホームページ(記事末尾)に開発ストーリーとして綴られていますので、ぜひそちらもご覧になってみてください。

 二つ目はシンプルなデザインの理由。本体は極力シンプルにして、付属のステッカーを貼ることで完成するというデザインには、「子どもはクリエイティブであってほしい」という想いが込められているのだそうです。ステッカーセットはシンプルなデザインを邪魔しない、オシャレなモチーフやアルファベットがたくさん。自分の名前を貼ったり、お気に入りにカスタマイズできるのが子どもは嬉しそうです。
 ステッカーは貼ったり剥がしたりを繰り返しても跡が残らないタイプなので、「慎重に貼ってね!」という心配は無用。自由に、心おきなく楽しんでもらえます。ダイニングに置いたままでも気にならない、シンプルで美しいデザインが大人には嬉しい点。子ども心をくすぐると同時に、大人の心もしっかりつかんでいます。実際、我が家はダイニングテーブルの隅に出したままにしていますが、スマートなので場所もとりませんし、インテリアに自然と馴染んでくれます。

BALMUDA The Lightに付いてくるシール。本体の下部はツールボックスになっています(写真提供:バルミューダ)
BALMUDA The Lightに付いてくるシール。本体の下部はツールボックスになっています(写真提供:バルミューダ)

 三つ目は、デスクライトのベース部分にあるツールボックス。子どもは「僕・私だけのもの」が大好きですよね。ステッカーのカスタマイズと合わせて、お気に入りの筆記用具をツールボックスに入れておけるところも、「僕のもの」感が強まって愛着がわくようです。また、リビング学習はテーブルが散らかるのが悩みだったのですが、ペンや消しゴムなどの道具もサッとツールボックスにしまえるので、「早く片付けて!」がなくなり、食事の準備もスムーズになりました。

 デスクライトに大差はないなんて思っていましたが、使えば使うほど、その魅力を実感中です。学習机や椅子には投資をしても、デスクライトは備えつけでいいと考えている方にこそ、ぜひ一度体験していただきたいです。だって、視力は一生もの。子どもの目を守れて、おまけにクリエイティビティも育てられるなんて、こんなに素晴らしいことはないですから。

(文・写真/宇野安紀子)

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