まもなく新年度がやってきます。「今年度こそは優待投資を始めたい!」と考えている方もいらっしゃるでしょう。前回は優待投資の基本をご紹介しましたが、今回もプロ棋士の優待投資家、桐谷広人さんにご登場願い、知っておきたい最近の株主優待の傾向や、押さえておきたい優待株との上手なつきあい方など、基本から一歩踏み込んだお話を伺います。予算別に優待銘柄の組み合わせも挙げてもらいました。
※記事中の利回りなどは全て2019年2月14日の終値で計算しています。

最近の株主優待の傾向は?

 最近の株主優待の傾向として、①長期保有優遇、②QUOカードで優待新設、③多様化するポイント制、④企業の地元特産品を優待品に、という4点が挙げられると桐谷さんは話します。順に見ていきましょう。

【傾向1】長く持つほど優待内容がグレードアップ

 そもそも企業が株主優待制度を設けているのは、株を長期保有してくれる安定した株主を増やしたいから。「ですから長期保有するほど魅力が増すように、1年より2年、2年より3年と保有期間に応じて優待内容がグレードアップする企業が増えています。代表例は日本取引所グループ(8697)です」。

 同社の優待品はQUOカード。保有期間が1年未満だと1000円分ですが、1年以上2年未満になると2000円分、2年以上3年未満は3000円分。さらに3年以上は4000円分と保有期間が長くなるにつれて高額になり、優待利回りは最大で約2.1%になります。「日本取引所グループは、東京証券取引所や大阪証券取引所を運営する会社。そこが率先して長期保有優遇を導入しているのですから、これに続く企業は今後も増えそうですね」。

 資産形成のための株式投資は、長期で取り組むのが基本。長期保有株主を優遇してくれる銘柄に投資すれば、優待グレードアップのメリットを得ながら資産形成ができそうです。後ほど桐谷さんお勧め銘柄で出てくる明光ネットワークジャパン(4668)も、長期保有者を優遇する優待内容になっています。

この日も桐谷さんの優待財布の中にはたくさんの優待券が!洋服ももちろん優待券で買ったとか。
この日も桐谷さんの優待財布の中にはたくさんの優待券が!洋服ももちろん優待券で買ったとか。