体験しておくことが大事。親子でお湯ポチャ調理にトライ!
大切なのは「体験しておくこと」と、今泉さんが強調します。
「缶詰を用意しておいても子どもが開け方を知らない、停電で暗い中で簡易トイレの説明書きを読めないということはあり得ます。あらかじめ使ってみることは大事です」
食べものや水なら、定期的に使って買い足すというローリングストックが注目されています。
「お給料日前の数日間は備蓄しているものを食べるなどと決め、ルーティーンにしておくといいですね。子どもに“賞味期限の近いものを持ってきて”と頼み、新しく買ったものを収納してもらう。そうすると、子どももどこに何がどの程度あるのかを覚えてくれます」
備蓄品を食べるときの調理法も、災害時を想定したものに挑戦してみましょう。今泉さんがお勧めする「お湯ポチャ」調理法は、高密度ポリエチレン製のポリ袋に食材を入れ、お湯につけて調理するという方法で、洗い物を出さず水も節約できます。子どもでも簡単につくれるので、親子でトライを!
(2)鍋底に皿を敷き1/2の水を入れる。皿の上に(1)を乗せ、フタをして火にかける。
(3)沸騰したら中火にして20分間加熱し、火を止めてフタをしたまま10分間蒸らす。
※複数同時調理する場合は、時間差で入れても、長い加熱時間にあわせて入れておいても大丈夫です。
水…1カップ(200ml)
※加熱時間:沸騰後20分余熱10分
水…1カップ(200ml)
レトルト麻婆豆腐のもと…1袋(3人分用)(トロミが別添えタイプのものは全て入れる)
※加熱時間:沸騰後15分余熱5分
すり白ごま…大さじ1
水…1カップ(200ml)
顆粒だし…小さじ1/3
味噌…小さじ2
※加熱時間:沸騰後5分
「食事面以外でも、体験しておくことは大切です。例えば公衆電話。使い方が分からない子どもは多いですね」
災害伝言ダイヤルは、毎月1・15日に体験できるので、家族やおじいちゃん、おばあちゃんも一緒に体験してみるとよさそうです。防災マップをつくったら、その道を散歩してみることも忘れずに。
「私は停電ごっこや断水ごっこを勧めます。この日は電気を使わない、水道の水を使わないと決め、生活してみるのです。空き缶を洗えないと臭いが気になるからフタ付きのゴミ箱があるといいなど、いろいろ発見できると思いますよ」
子どもと一緒にわいわい話しながら挑戦するのは、きっと楽しい経験となるはず。
「身構えず、気軽に生活に組み込んでほしいですね」
災害は明日起こるかもしれません。今からさっそく始めませんか?
オフィスRM 代表取締役
管理栄養士、防災士、日本災害食学会災害食専門員
今泉 マユ子さん
文/松田 慶子
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