共働き家庭はどうしても子どもと離れる時間が長くなります。そのとき、もし大災害が起こってしまったら…。

考えたくはない未来ですが、想定し、準備しておくことはとても重要です。多くの被災されたお母さんたちの経験を踏まえ、「災害に強い地域社会をつくる」をテーマに防災の啓発活動をしているNPO法人ママプラグの冨川万美さんに「共働き家庭の防災対策」について教えてもらいます。今回のテーマは「夏場の防災対策」です。

避難生活では、日常生活とかけ離れた我慢を強いられる

 5月の後半から、急激に暑くなってきました。25度以上の「夏日」どころか、30度以上の「真夏日」、ところによって35度以上の「猛暑日」を記録した地域もあります。その数週間前まで床暖房をつけていたのが嘘のように、毎日暑さは増すばかり…。このままでは「日本列島亜熱帯化」も遠い未来のことではなさそうです。

 小学校の運動会も、5月の後半に開催された学校が多かったようですが、ここでも例年にはない「時間の短縮」や「競技の中止」などが目立ちました。私の娘の小学校も、暑さ対策として、クーラーの効いた全教室の開放を実施していました。

 小学校といえば、私の住んでいる地域には公立小学校が12校あるのですが、現在体育館にエアコンが設置されているのは3校のみ。2019年度から20年度にかけて、市内全校に設置される方針とのことですが、読者の皆さんのお住まいの地域はいかがでしょうか?

 公立小中学校の体育館エアコン設置が話題に上るようになったのは、災害がきっかけとなっています。緊急時に多くの人が一堂に会し、長時間過ごすことになる避難所には、学校の体育館などがなることが多いですが、そこでは日常生活とはかけ離れた我慢を強いられてしまうのです。

 夏真っ盛りの酷暑の中での救助活動や避難生活が連日報道された、2018年の西日本豪雨も記憶に新しいところです。赤ちゃんを抱いたお母さんが「お風呂に入れないのがつらい」と訴えている姿は、本当に心が痛みました。

 地震だけではなく、最近の日本は毎年のようにゲリラ豪雨や大型台風による水害や土砂災害に見舞われています。奇麗なバスルームでスッキリ汗を流し、冷房の効いた部屋でリラックスしていた瞬間にも、災害に襲われ、シャワーを浴びることすらままならない生活が突然やってきてもおかしくないのです。