夏の防災は「暑さ対策」と「衛生対策」が肝心

 皆さんは、夏と聞いて真っ先に頭に思い浮かぶことはなんでしょうか? 夏休みや海水浴、お祭りなど色々あると思いますが、まずは「暑さ」を連想するのではないでしょうか。

 そうです。当たり前ですが、夏は「暑い」季節なんです。

 楽しいことが多い一方で、昨年のように「異例の猛暑」がまたやってくる可能性は高いでしょう。では、どのような対策をしておけばいいのか。

 夏の防災対策として挙げられるポイントは、以下の二つに大きく分けられます。

● 暑さ対策
・ 熱中症予防
・ 不眠、疲れなど

● 衛生対策
・ 食中毒予防
・ 汚れ、臭いなど

 まず、暑さ対策の中でも、一番不安の大きい「熱中症」からみていきましょう。熱中症を引き起こす要因は、「環境・からだ・行動」にあると言われています。ここでいう「環境」とは、気温が高いこと、湿度が高いこと、風が弱いことです。「からだ」は、運動などによって体内に熱が生じたり、暑い環境に対応できなかったりということ。「行動」は、慣れない運動や長時間の屋外作業、水分補給ができない状況のことです。

 環境は、私たちの力ではどうすることもできません。ですので、からだと行動の面で対策をする必要があります。

 つまり、環境が上記のような場合には、激しい運動を避ける、長時間屋外にいることは避ける、水分・塩分補給をこまめにするということが予防につながります。特に、体力のない赤ちゃんや小さな子ども、高齢者はより「からだと行動」に気をつけなければなりません。

 とはいえ、災害時はこまめな水分補給ができるほどたっぷりの水が配給されるわけではありません。だからこそ、夏の災害対策としては以下のようなことをできる限り心掛けましょう。

● 水の備蓄量を増やす
● 水と並行して、経口補水液(OS1)などの塩分も摂取できる飲料を備蓄しておく
● 塩分タブレットや雨水などを備蓄しておく
● ゼリーなど、水分量の多い非常食を取り入れる
● 少しでも「辛い」と感じたら、日陰で休む
● 直射日光に当たらないよう、帽子やUVカットの上着などを防災リュックに入れておく

 また、熱中症対策としてはもちろん、暑い日が続くと、不眠になったり、疲れが取れにくくなったりするものです。少しでも、涼が取れるようにするには、ひんやりグッズがお手軽です。

 例えば、100円ショップやドラッグストアなどで手軽に入るひんやりグッズがたくさんあります。

● 電池式の扇風機やうちわ
● 汗拭きシート
● ひんやりジェルマット
● クールスカーフ

 これらは、日常使いされている人も比較的多いのではないでしょうか。「普段はよく使っているけれど、防災グッズには入れていなかった」という人は、ぜひ夏の防災グッズとしてプラスしておいてください。

災害時に熱中症にかかると危険!(写真はイメージ)
災害時に熱中症にかかると危険!(写真はイメージ)