共働き家庭はどうしても子どもと離れる時間が長くなります。そのとき、もし大災害が起こってしまったら……。

考えたくはない未来ですが、想定し、準備しておくことはとても重要なことです。多くの被災されたお母さんたちの経験を踏まえ、「災害に強い地域社会をつくる」というテーマで防災の啓発活動をしているNPO法人ママプラグの冨川万美さんに「共働き家庭の防災対策」について教えてもらいます。今回のテーマは「防災食」です。

今後30年で巨大地震が起きる確率は70%

 前例のない大型連休が終わり、新しい時代の日常生活が始まりました。しかし、新生活早々に起きた滋賀県大津市の保育園児死亡事故は、未就学児を持つ親として、本当に心が痛みました。

 どんなに安全対策をしていても、どんなに愛情を持って接していても、避けられない不幸があることに言いようのない無念を感じました。事故に遭われた皆様が、心身ともに少しでも癒やされる日が訪れることを心よりお祈りしています。

 さて、本題に入りますが、交通事故と同じように、自然災害もまた、誰にでも訪れる脅威です。今後30年以内に震度7レベルの巨大地震(南海トラフ地震など)が発生する確率は70%と言われています。

 日本に住む以上、大地震の被害に遭うことは、もはや避けようがないと考えたほうがいいのです。脅すわけではありませんが、この数字を見ると恐ろしい気持ちになるのではないでしょうか。

 しかし、甚大な災害に直面したとき、全員が犠牲になってしまうのかといえば、そんなことはありません。東日本大震災では津波の被害が大きく、お亡くなりになった方は1万5000人を超えました。しかし、その後も起こった数多くの大地震では、北海道胆振東部地震で41人、大阪北部地震で6人と言われています。

 もちろん亡くなった被災者の人数だけで、災害の規模を語ることはできません。しかしここから見えてくるものは、仮に大きな災害が起きたとしても、大津波などの二次的な被害がなければ、命が助かる可能性は比較的高いということです。

 しかし、命は救われたとしても、被災された方々を苦しめるものがあります。それは、ライフラインやインフラの断絶による、心身にかかる過大なストレスです。