子育て世代にはか欠かせない「テレワーク」について大企業や中小企業の先進事例を紹介してきた本特集。最終回では、20年にわたり自らもテレワークを行い、企業のテレワーク支援に関わってきた田澤由利さんにテレワークの意義や実行するためのノウハウ、話題のサテライトオフィスのメリットをお聞きしました。先進中小企業のテレワーカーの声も紹介します。

【テレワーク2.0時代最前線CHECK!特集】
(1) 「気づくとソファに」テレワーク実践の悩み洗い出し
(2) 日本航空、パナソニック、あおぞら銀行のテレワーク
(3) テレワーク実践者のテクニック あえて連絡を密に
(4) 中小企業の可能性広がるテレワーク事例「ワクスマ」
(5) テレワーク効果でリアル会議も濃密に 実践者の声 ←今回はココ

テレワークはもはや福利厚生ではなく、企業戦略の時代

 「テレワークは中小企業のほうがよりメリットが大きいと思います」。こう話すのは、テレワークマネジメント代表取締役で、企業や自治体のテレワーク普及に尽力している田澤由利さん。自身が経営する2つの会社でもテレワークを導入し、社員は柔軟に働いています。

 「働く女性が増え、親の介護をする人が増え、、そして少子化で働く人自体が減る時代において、朝から晩まで会社で働くという、従来の働き方を続けると、企業は、従業員が去っていくでしょう。しかし、企業がテレワークを導入することによって良い人材が働き続け、効率よく仕事をし、無駄なコストを抑えることができます。テレワークは福利厚生ではなく、もはや企業戦略なのです」と田澤さん。「テレワークをはじめとする柔軟な働き方は、社員一人の存在感が大きい中小企業こそ、特に取り入れるべき」とも話します。

 ここで改めてテレワークの定義を確認しておきましょう。国の定義によると、テレワークは次のような働き方のことです。

ICTを活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方

 これを田澤さんにわかりやすく説明してもらうと、下記のようなことになります。

 「テレワーク」の語源は、「離れた場所で働く」。どこから離れるかというと、本来仕事をする場所、「会社」「お店」「現場」「工場」などです。そうした場所から離れて仕事をするとなると、道具が必要です。パソコンやスマートフォン、タブレットなどの機器を使用し、ネットを活用したシステムやサービスを利用することで、これまで固定されていた「働く場所」や「働く時間」が柔軟になります。時間や場所を有効活用して、働く人のワークライフバランスはもちろん、企業の生産性を向上できる働き方が「テレワーク」です。

どの仕事がテレワーク向き?と考えていてはテレワークは進まない

 田澤さんによるとテレワークは「働く形態」、「テレワークをする理由」という2つの視点で分類することができます。つまり、テレワークで働く人は次の4つに分類できます。

(1)会社に勤めながら移動先や移動中に仕事をしている人【営業担当や出張の多い社員】
(2)会社に勤めながら、自宅で仕事をしている人【在宅勤務者】
(3)自営で、移動しながら仕事をしている人【フリーランス】
(4)自営で、自宅で仕事をしている人【在宅ワーカー】

 (1)と(2)の雇用されている人は、たとえ「この仕事、自宅でもできる」と思っても、会社に制度がないとできません。また、制度ができても、離れてできる仕事がないと、テレワークはできません。

 例えば「テレワークでできるのは、重要なデータが入っていない仕事と一人で集中してはかどる仕事だけ。これでは仕事が限られる」と経営者も社員も考えがちです。しかし、田澤さんはこの考え方に対して真っ向からバツをつけます。

 「テレワークでできる仕事は限られる、そう思っていると限界があります。テレワークは浸透せず、働き方改革も実現しません。発想を転換して、いつもの仕事をテレワークでもできるように、仕事のやり方こそを変えることが重要です

「いつもの仕事を自宅や出先、サテライトオフィスなど、どこでもできるように、仕事のやり方を変えるべき。災害時など出社できないときにも役立つはず」と田澤さん。画像はイメージ
「いつもの仕事を自宅や出先、サテライトオフィスなど、どこでもできるように、仕事のやり方を変えるべき。災害時など出社できないときにも役立つはず」と田澤さん。画像はイメージ
<次のページからの内容>
● 今の仕事をどうやったらテレワークでできるか考えてみよう
● 紙の資料は全部デジタル化しなくてもOK 初期費用は中小ほど安く済む
● コミュニケーション、労務管理に役立つツールを取り入れても
● サテライトはバリエーション豊富。デスクを減らせるコスト面の効果も
● 長時間労働解消と雇用創出のための制度を進化させてサテライト開設
● サテライトを社員の「たら」実現に活用 I・Uターンにも貢献
● 自宅勤務のときメイクをする? しない? テレビ会議時の背景は?
● 社員のライフステージ変化に対応するためテレワーク導入
● 混雑回避、時短勤務で毎日テレワークの社員も
● テレワークは解放感と不安感。仕事の効率は上がった

次ページから読める内容

  • 今の仕事をどうやったらテレワークでできるか考えてみよう
  • 紙の資料は全部デジタル化しなくてもOK 初期費用は中小ほど安く済む
  • コミュニケーション、労務管理に役立つツールを取り入れても
  • サテライトはバリエーション豊富。デスクを減らせるコスト面の効果も
  • 長時間労働解消と雇用創出のための制度を進化させてサテライト開設
  • サテライトを社員の「たら」実現に活用 I・Uターンにも貢献
  • 自宅勤務のときメイクをする? しない? テレビ会議時の背景は?
  • 社員のライフステージ変化に対応するためテレワーク導入
  • 混雑回避、時短勤務で毎日テレワークの社員も
  • テレワークは解放感と不安感。効率は上がった

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