「いいよ、別に人と違っても」

 実際、子どものころの類さんは、自分のことをどんなふうに感じていたのでしょうか?

 「良くも悪くも、みんなと自分が違うことに対して『それのどこが悪いの?』という感じです(笑)。本人としては、人と違う、イコール個性的であると思っていたんだと思います。私自身も、赤ちゃんのころから周囲と比べて、みんなと同じを基準にする日本の子育てに違和感を感じていたので、それでいいと思っていました」

 「いいよ、別に人と違っても」。そう類さんに話す泉さんに、周囲からは「人と違うと、いじめられるかもしれない」と心配する声もありました。しかし、泉さんは「そもそも、いじめた側を叱るのが大人の務め。いじめられるかもしれないから、みんなと同じに育てたほうがいいというのは、おかしい」と、周囲の声に惑わされず自分のスタイルを貫きます。 「私自身が、人と同じであることがつまらないと思っている人間です。頑張って、みんなと同じになる必要なんか全然ないですよね」

 類さんが自分を卑下したり、自己否定したりせずに済んだのは、そんな泉さんの母としての毅然とした態度に守られていたから。「もし、発達障害を持つ子どもが、周りとの違いに悩んで“ぼくはダメな子なんだ”とマイナスに感じているならば、それは周りの大人がそう思わせてしまっている」と、泉さんは語ります。

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