1カ月間仕事を休みハワイで「暮らすような旅」をした

 子どもとの時間を取り戻そう。

 そう思った大平さんは、夫とともに1カ月間の休みを取ることを決意します。フリーにとって、仕事を断って休むのは、とても勇気がいること。一度、断ったら次はないかもしれないのです。「でも、それで次がないなら、私でなくてもいい仕事だということ。子どもにしわ寄せを与えてまで、代わりがいる仕事をするのは止めようと、夫と決めました

 家族3人で出かけた先はハワイ。いつでもどこでもメールで追いかけられる今と違い、当時は、海外まで仕事の電話やファクスが追いかけてくることはほとんどありませんでした。

 お金をかけたリゾート旅行ではなく、節約しながらののんびりとした旅。地元の知人に紹介された貸家やキッチン付きの安いコンドミニアムで、「暮らすような旅の時間」を過ごします。朝起きてから、のんびりと3人で動物園や公園、ビーチに出かけるだけ。

 「それまでは、いつも時間に追い立てられていたんですが、このときのハワイでは本当にゆったりとした時間が流れていた。ああ、今、私たち親子に必要なのは、こうやってただ一緒に過ごすことなんだ、とすごく感じましたね」

 子どもの時間は、大人と違いゆっくりです。大人ペースの4~5日の旅ではなく、とことん子どものペースに合わせる。そんな「暮らすような旅」が、家族のあり方をもう一度見つめ直すきっかけになりました。

フィリピンのカオハガン島で、島の子どもたちと遊ぶ長男(左から2番目)。「自然が遊び場の子どもたちは生き生きとしていました」