最近よく目にするSDGsの4文字。国連が採択した持続可能な社会の実現に向けて世界が取り組む開発目標のことです。多くの企業が取り組んでいますが、家族でSDGsについて話したことはありますか? SDGsの17の目標の中には「飢餓をゼロに」「質の高い教育をみんなに」「安全な水とトイレを世界中に」のように、子どもにもイメージしやすく、家族でも話しやすいテーマがあります。そこで、日経BPが発行するリクエストマガジン「エコマム」2018年冬号から、SDGsについて暮らしの中で考えるヒントを紹介します。2ページ目からは「絵本でSDGs 推進協会」の朝日仁美さんが選んだ絵本33点を紹介。興味のあるゴールを理解する手掛かりになる絵本が見つかります。

地球の誰もが幸せな未来を手に入れるために

 SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略。「持続可能な開発」を実現するために2016年から2030年にかけて、世界が一丸となって17の目標を達成しようと、2015年の国連サミットで採択されたものです。持続可能な開発とは、私たちの暮らしや社会が抱える課題を解決して、地球全体が豊かな幸せな未来を手に入れられるようにするという意味です。貧困や差別、経済や環境など、あらゆる問題を一緒になって考えていくというのがSDGsなのです。

 SDGsを知り、自分にできることを考えることは、世界中の子どもたちの未来を守ることにもなります。家族の会話の中で、SDGsについて話題にして自分にできることを考えてみましょう。

世界が取り組むSDGs 17の目標
世界が取り組むSDGs 17の目標

さまざまな分野にわたり、17の目標を設定。自分たちに関係あること、できそうなことをぜひ探してみましょう

SDGsの達成を目指し、誰一人置き去りにしない社会を築こう

<p class="textAlignCenter">国連広報センター所長 根本かおるさん</p>

国連広報センター所長 根本かおるさん

 国連広報センター所長の根本かおるさんは、SDGsについて次のようなメッセージを発信しています。

 「今、世界には多くの深刻な問題があり、それらは複雑に絡み合っています。このままでは2050年には地球3つ分の天然資源が必要とされる見通しで、これらを解決していくには、地球上のあらゆる立場の人々や組織が協力しなくてはいけません。そのための具体的な方法として、2030年までに17の目標の達成を世界で目指そうというのがSDGsです。

 そこで大切になってくるのが、「誰ひとり置き去りにしない」社会を築くことです。平和で豊かな社会を将来につないでいくために、SDGsに関心を持ち、ライフスタイルを見直すなど、身の回りでできることがないか、ぜひ皆さんに考え、アクションにつなげていただきたいと思います

SDGsを理解するための5P

 SDGsを知るキーワードとして、Pで始まる5つの言葉があります。一つずつ見ていきましょう。

People 人
世界中の誰もが貧しさや飢えから解放され、平等で健康的な暮らしができるようにして、お互いを尊重することが大切です。

Prosperity 豊かさ
どの国、どの地域に暮らしていても、同じように経済的な豊かさの恩恵を受け、心も体も満たされること。それが私たちに本当に幸せな暮らしをもたらしてくれます。

Planet 地球
命の源である美しい地球を守るのは、次世代への私たちの責任です。森や海、動植物たちなどの自然との共生には、すべての国々、人々の協力が必要です。

Partnership パートナーシップ
SDGsの実現には世界のあらゆる人々の協力が欠かせません。国、企業、研究機関、地域、家族、個人。それぞれの立場で協力できることを見つけて行動しましょう。

Peace 平和
争いのない世界は、地球に暮らすすべての人の願いです。今も世界のどこかで紛争や戦争が起きている現実を知り、関心を持つことから世界の平和を考えましょう。