最近、新たな社会貢献として注目されているクラウドファンディング。聞いたことはあるけれど、支援したり、プロジェクトを立ち上げたりしたことはないという人が多いのでは。そこで、クラウドファンディングの仕組みやコロナ下での傾向、子どもが何を学べるかなどを、クラウドファンディングサービス運営会社「READYFOR」の大久保彩乃さんと澤村詩織さんに聞きました。

支援者が起案者に協力してプロジェクト実現を目指す

 クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、不特定多数からお金を集める仕組みのこと。日本では2011年3月の東日本大震災が大きなきっかけとなって広まりました。今ではサービスを行う運営会社も増え、個人や団体、企業などが広く資金を集める方法として周知されてきています。

 クラウドファンディングの仕組みはこうです。運営会社はネット上でプロジェクトを立ち上げる起案者と支援金を送る支援者をつなぎます。起案者はプロジェクトの目的や計画、必要な資金などをプロジェクトページ上で発表し、支援者を募ります

 プロジェクト掲載は無料ですが、プロジェクトを立ち上げる起案者は、達成した目標金額に対して運営会社に手数料を支払う必要があります。短期間で資金集めができ、その活動を広くPRする手段として活用することもできる点がクラウドファンディングの大きなメリットです。社会貢献などを目的とする団体の他、個人や企業、自治体や大学など、誰でもプロジェクトを立ち上げることができます。

 支援者は支援したいプロジェクトを選び、資金を提供します。目標の資金が集まり、プロジェクトが実行された場合、支援する人にはさまざまな「リターン(お返し)」があります。

 クラウドファンディングはいくつか種類があります。比較的身近なのは購入型と寄付型の2つです。それぞれリターンの形が異なり、購入型では、支援者はリターンとしてモノ、サービス、体験などの権利を受け取ります。リターンに対価性がなく、起案者とのつながりを価値とする場合もあります。

 寄付型は寄付金を募るものなので、対価性のあるものを受け取ることはできません。リターンはお礼状などになります。税の優遇が受けられることがあります。

 「クラウドファンディングはやりたいことを実現するのを応援する、新しい商品やサービスを応援するというプロジェクトも多く、幅広くいろいろな使い方をされています。手軽で新しい社会貢献のスタイルとしてのニーズが大きいです」とREADYFORの大久保彩乃さんはクラウドファンディングが広まっている背景を説明します。