恥ずかしくても、はしゃぐ、戯れる、遊ぶことをやり続ける!

―― 他にも何か夫婦円満のために武田さんご自身が実践しているようなことなどありますか?

武田 僕たち夫婦は、よくごっこ遊びをします(笑)。夫婦でドライブに行ったりすることが多いのですが、クルマの中で二人で遊ぶんです。「はい、今日はゲストに武田玲子さんをお迎えしています。こんにちは!」みたいな感じで始まって、「玲子さん、あのー、最近、子育てが大変だと思いますけど、どうですか?」っていう感じですね。すると妻も乗ってきてくれて「そうですねー」って(笑)。そんな感じでラジオ番組風にやっていると、けっこう面白いんですよ。どんどん盛り上がっていって、最後はゲラゲラ笑いながらやっています。

―― 照れてしまってできない人も多そうです。

武田 確かに最初は照れちゃうと思いますけど、こういうユーモアって大事なんですよね。子どもと一緒にはしゃぐことが大事なのと一緒です。僕はいい家族でいるために必要なキーワードは「ふざける」とか「はしゃぐ」「戯れる」「遊ぶ」というものだと思っています。こういったキーワードにあふれた生活をしていると、幸せで平和な家族になれると思うんですよね。僕が最初に描いた自分の人生のビジョンは「すべてを遊びに」というもの。確か17年前くらいに描いたビジョンですが、それは今でもブレていません。

 多くの日本人がこういったキーワードにあふれた生活を苦手としているのかもしれませんが、もうちょっとみんなふざけていいんじゃないかって思うんですよ。「はしゃぐ」とか「ふざける」とか、「遊ぶ」とか……。それらをマジメに考えるのではなく、ただ目の前の子どもや妻、あるいは夫との日々の生活を一緒に楽しむだけでいい。

 掃除を楽しんだり、皿洗いを楽しんだり、会話を楽しんだり、食事を楽しんだり。家族で家にいること自体を楽しむことが1番いいと思います。家族みんなで楽しんでいると、日々の生活を楽しむ仲間になれるじゃないですか。

 お互いに命令し合うとかコントロールし合う関係って、考えてみれば当たり前ですけど嫌ですよね。家族みんなが“遊び人”になることが夫婦円満の秘訣でもあり、家族円満の秘訣でもあると僕は思っています。

取材・文/國尾一樹、写真/小野さやか、イメージカット/pixta

武田双雲(たけだ そううん)
武田双雲書道家。1975年熊本県生まれ。3歳より書家である母・武田双葉に師事し、書の道を歩む。東京理科大学理工学部卒業後、NTT東日本入社。営業職として約3年間の勤務を経て、書道家として独立。音楽家や彫刻家などのアーティストとのコラボレーションや個展など、独自の創作活動が話題となる。大河ドラマ「天地人」をはじめ、スパコン「京」、世界遺産「平泉」など数多くの題字やロゴも手がける。また、世界中からオファーを受け、パフォーマンス書道や書道ワークショップも開催。海外に向けて日本文化の発信を続けている。日テレ『世界一受けたい授業』など、様々なメディアに出演し、講演会やイベント出演も多数。『ポジティブの教科書』『「子どもといること」がもっと楽しくなる 怒らない子育て』など、著書多数。二男一女のパパ。