人はリスペクトしてくれる人のために、役に立ちたいと思う

―― 一方、女性の側へのアドバイスなどありますか?

武田 夫がなかなか家事や育児をしてくれないといった悩みを持つ女性は多いと思います。そこで夫婦げんかになってしまうことが多いのですが、男性は妻に愚痴を言われ続けると、自分が悪いような気がしてきて、ムキになって反論してしまいがちです。だから、妻は夫に「こういうことで困っているんだけど、どうすればいいと思う?」といった感じで聞いてみるのがいいと思いますね。そこで夫が何か答えたときに「へぇ?、スゴい!」などと言われると悪い気はしない。男って単純ですから、それだけで動きだすこともあるかと思います。

 例えば、洗濯物を脱ぎっ放しの夫がいたとして、それを何とかやめさせたいといったときにグチグチ言われたりすると、「うるさいな!」となってしまってケンカになってしまいます。イライラしている気持ちを抑えて「ちょっと困っていることがあって」と、家の中の洗濯物問題を議題にして「何かいいアイデアある?」と聞いてみる。

 そこで夫が「こうしたらいいんじゃない?」と言ってくれたら「さすが!」などと褒める。すると、夫は悪い気はしません。そこから、いいアイデアを出してくれた夫に洗濯物は全部任せてしまうくらいの勢いでお願いできるかもしれません。よっぽど家事が得意な男性でない限り、女性からすると男性は大した家事ができないもの。また、家事の大変さもよく分かっていないんです。

 それでもアイデアを求めているうちにどんどんアイデアを出すようになってくる。男ってハマると強いので、わが家の洗濯システムのプロデューサーになってもらえるようになるかもしれません。何事においても、このような感覚で夫との会話を続けていくと、ケンカになることもなく夫婦円満にやっていけると思います。

―― 完全に分かり合えないからこそ、気を付けていくということでしょうか?

武田 完全にはわかり合えないけれども、夫婦で感情を合わせることはできるはずです。難しい部分もありますが、子育てと一緒でお互いをリスペクトしていればうまくいくのだと思います。リスペクトされていると、人って動くと思いませんか?

 リスペクトしてくれる人のために何か役に立ちたいと思うし、喜んでくれる人のために何かやりたいと思うじゃないですか。反対に怒ったり愚痴っている人のために何かやりたいとは思わない。そこは男女共通なんだと思います。当たり前のことなんですけど、それが夫婦とか親子の関係となると、ついつい忘れがちですが、夫婦円満の秘訣の根底にあるのは、やはり、リスペクトでしょう。