「モンテッソーリ教育の本質への理解さえあれば、子育てはもっと楽しくなりますよ」。そう語るのは、モンテッソーリ教育の実践者、高根学園理事長の高根澄子先生。これまで3歳までの子どもに表れる「敏感期」について詳しく聞いてきました。敏感期は子どもが特定の能力を獲得するために、ある一定の期間だけ表れる生命に仕組まれたプログラムとのこと。では、私たち親を悩ませる難題、イヤイヤ期もあらかじめ仕組まれたものなのでしょうか。今回はイヤイヤ期の意味と、それを迎える親の心構えを聞きました。

イヤイヤ期も生命に仕組まれたプログラム

――― これまで「敏感期」とは子どもたちが特定の能力を獲得するために、ある一定の時期だけ表れる生命に仕組まれたプログラムであると伺ってきました。では、親にとって最初の試練ともいえるイヤイヤ期はどうですか。

高根澄子先生(以下、敬称略) イヤイヤ期はパパやママにとって、大問題ですからね。「どう乗り越えたらいいですか?」という質問を受けない年はないくらいですよ(笑)

 ですが、結論から先に申し上げますと、イヤイヤ期は言ってみれば「命からの贈り物」なんです。子どもたちは日々、成長しています。単に年齢を重ねるだけでなく、発達段階を経るごとに、以前は持ち合わせていなかった心身の能力を身に付けていきます。目には見えませんが、子どもの発達とはまさしく「いのちが燃え上がる」ようなプロセスの連続です。

 マリア・モンテッソーリは、こうした成長の過程には「発達の危機」と呼ばれる重要な時期が訪れると説いています。とりわけ、0歳から3歳の子どもには「誕生の危機」、「離乳の危機」、そして「反抗の危機」という3つの危機が訪れるといわれます。イヤイヤ期はまさしく「反抗の危機」。生後30~36カ月頃、ちょうど2歳半から3歳の誕生日を迎える頃に起こります。

――― 「発達の危機」ですか? 言葉を聞くだけで、身構えてしまいます。その危機がどうして「命からの贈り物」になるのか、いまひとつピンと来ないのですが。

次ページから読める内容

  • 一歩自立へ踏み出したという証し
  • 子どもの自立を促す選択肢を与える工夫を

続きは、日経xwoman登録会員の方がご覧いただけます

ログインはこちら
もっと見る