家事や育児を分担する共働き家庭が増えています。ただ、もしもどちらかが仕事を辞めて専業主婦(夫)となったら? はたして、それまで通りの役割分担で満足できるでしょうか?

リンクトイン日本代表の村上臣さん夫婦は、子どもが小さな頃から「やれることをやれるほうがやる」というスタンスを貫いてきました。興味深いのはそれが、どちらかが専業主婦であっても、フルタイムで働いていても変わらないことです。早くから役職を得て忙しい身でありながら、村上さんが、育児も家事もごく自然に行ってきたのは、妻と子どもへの興味が根底にあるからだといいます。

最終回となる今回は、結婚から10年以上が経過してもお互いを尊重し、子育てを心から楽しんでいるという村上さん夫婦が、日々、大切にしていることを聞きました。

【リンクトイン日本代表・村上臣「わたしの子育て論」】
(1)リンクトイン日本代表 息子へのスマホ貸与契約書
(2)日本と海外のプログラミング教育はここが違う!
(3) 子どもを“ダシ”にすると、育児はもっと楽しくなる
(4)僕がモンテッソーリ教育を選んだ理由
(5)妻に子どもへの「興味」まで丸投げしていないか? ←今回はココ


お互いの状況次第で、役割分担の比率は変えてもいい

 共働き夫婦において、家事や育児のタスク管理をどうしていくのかは、大きなテーマです。僕ら夫婦も子どもが生まれる前は、お互いにフルタイムで働き、朝起きると冷蔵庫に貼ってあるタスク割表の前で、「今日の朝ごはんはどっちが作るんだっけ?」という会話を交わしていました。

 ただ、子どもが生まれて「育児」が入ってくると、そうした役割分担は自然となくなりました。育児は共同プロジェクトだと思っていたからです。

 例えば、僕らのこれまでの「育児・家事」の分担は、子どもが生まれる前までは、僕と妻がだいたい半分ずつ。妻が出産してすぐの頃は、僕が育休を取っていたので、ほぼ一人で育児と家事をやっていました。その後は、妻も仕事を辞め、僕も仕事に復帰したので「妻が7、僕が3割」くらいとなり、現在は、僕の働き方が変わったこともあって、ほぼ9割を妻に任せきりです。

 一見すると、「ママの不満がたまっているのでは?」と思われるかもしれませんが、実際にはそんなこともないと思います。同じリソースを共有しているもの同士、役割分担の比率が「どっちが重い?軽い?」というのは、お互いの状況次第で変わっていくと考えているからです。