理想は夫婦が子育ての価値観を共有する「T型育児」

 もちろんこうした考え方は僕ら夫婦の価値観であって、皆さんに当てはまるものではありません。ただ、夫が仕事ばかりして育児や家事を何もしない人というのは、そもそも役割分担以前に、子どもへの「興味」まで妻に丸投げしていると思うんです。「Y型育児」になってしまっているんですね。

 「Y型育児」というのは、夫婦間で子どもの情報が共有されないまま、子育てをしている状態のことです。そうすると当然、「お父さんはいいって言っていたのに、お母さんはだめっていった」ということが増え、子どもは混乱するし夫婦間にも溝が生まれやすくなります。

 逆に、理想的なのは「T型育児」です。これは夫婦間の子どもに関する情報レベルが一緒で、育児の価値観を共有できている状態。大事なのはまさにこれで、夫婦間で子育ての価値観さえ共有できていれば、極端な話、「平日は任せた」ということがあっても、そこまで不満がたまることはないと思うのです。一緒に子育てをしている実感が得られるからです。

育児を楽しみ、いい面も悪い面も知っているから共有できる

 友達の延長で結婚した僕ら夫婦は、こうした価値観の共有が非常にスムーズです。お互いの趣味に違いはありますが、お金の使い方や空間の作り方など、生活に関する価値観が一致していましたし、僕自身、育児のいい面だけではなく悪い面も見てきたので、妻の気持ちも理解できるんですね。

 育児のいい面というのは、例えば、育休中に小さな息子を沐浴できたことや、息子が通っていたプライベートスクールで行われる「パパの日」に参加するため、平日にもかかわらず趣味のアフリカンパーカッションを披露して遊んだこと。週末には公園へ行って息子と焚き火遊びをしたり、キャンプ会を主催したりと、自分自身が育児を楽しめたことです。

リンクトイン日本代表の村上臣さん
リンクトイン日本代表の村上臣さん