プログラミングとは、ものづくりの中で体得するもの

 「L-nest School(リバネススクール)」のような習い事へ通う以外にも、「ものづくり」を通して創造力を身に付けられる環境はあります。それが、最先端の技術を駆使した「メイカーフェア」です。2018年は、8月4~5日に東京国際展示場で行われました。

 メイカーフェアとは、2005年にできたアメリカのテクノロジー系DIY工作専門雑誌のコミュニティーが巨大化した一大イベントです。いわゆる日本でいうところの、「コミケ」のテクノロジー版DIYというと分かりやすいかもしれません。現在は、世界各国で開催されています。

 私は今年、東京ドーム数個分の展示場に1200以上の出展者がブースを連ねる、サンフランシスコ・ベイエリアのメイカーフェアに行ってきました。

 驚いたのは、平日にもかかわらず小学生くらいの子どもたちが、先生の引率で大勢やってきていたことです。子どもたちが出展者に積極的に質問をする姿は、まさに好奇心の芽が育っていく瞬間。

 低年齢化しているのは来場者だけではなく出展者も同じです。出展ブースの中には大学生はもちろん、高校生や中学生の姿まで見られました。

 日本式の「学問」としてプログラミングを教える方法は、確かに教える側からすると楽だと思います。出展側となって生徒を支えていく労力は並大抵ではないからです。しかし出展までの一連のプロセスは、まさに仕事そのもの。学校や教室で習うプログラミングでは知り得ない学びが詰まっています。

 海外のプログラミング教育から見えてきたのは、学校の授業で必修化されたから学ぶという「受け身の姿勢」ではなく、プログラミングというツールを得て「何を生み出すのか」という目的意識です。子どもたちに実践的なプログラミングを学ばせたいのであれば、こうしたものづくりを通して、創造力を身に付けさせるという、より本質的な「親の視点」が必要なのではないでしょうか。

(取材・文/武末明子、イメージ画像/iStock)