学ぶべきは、プログラミングよりも「コンセプトメーキング」

 では一体、子どもたちは何を学ぶべきかというと、それは「コンセプトメーキング」です。

 仕事のほとんどは、課題を解決し、その対価としてお金をもらうことで成立しています。しかし、解決すべき課題を見つけ出すにはコンセプトメーキングが欠かせません。その礎となっているのが、創造力です。

 ただ、日本の教育はこの創造力がとても弱いんですね。本来であれば子ども自身が、「自分で解決できる適切な課題を見つけ、そのために仲間を集めて必要なものを調達して世に出す」という過程を、ものづくりを通して学べるのが理想なのであって、プログラミングとは、そうしたものづくりの一部にすぎません。しかし実際には、こうした創造力を養う教育をしているのは、限られた一部の学校ではないでしょうか。

本質を教えるロボット教室「L-nest School(リバネススクール)」

 私には中学1年生の息子がいますが、彼は小3の終わりから小6まで、ある「ロボット教室」に通っていました。そこは私の友人が主催する、小学生を対象にした「L-nest School(リバネススクール)」という教室で、講師は全員理系大学院の修士、または博士号を取得した現役の研究者です。自分たちで専門分野の魅力を伝えるための教材を開発して教えているので、子どもが興味を持って質問しようと思えばいくらでも知識を深められる環境にあります。

 教えている内容も本質的で、ものづくりを通してロボットの原理を学び、「作る→学ぶ→工夫する」のサイクルを重視し、工夫を重ねていく中で、思考力と創造力を育んでいけるプログラムが組まれています。