教育は「自分が受けてきたもの」に縛られがち

 これからの日本では、子どもにどんな教育を受けさせるかは、どういう方針のある自治体で暮らしたいかを見極めることも意味します

 教育は「自分が受けてきたもの」に縛られがちで、しかも他と比べにくいものです。ですから自分が今いる自治体を「当たり前の基準」にしてしまいます。例えばALT(外国人指導助手)が学校に来る回数は、全国一律ではないことをご存じでしょうか。月1回、週2回などの回数は、その自治体の財政状況によって異なるのです。

 もっと言えば、2020年度から実施される大学入学共通テストで英語4技能評価が導入されますが、4技能のうち「聞く、話す」に関してはこれまでは東京が有利だったはずが、予算を確保し徹底的に取り組む地方自治体が出てきたことで、状況が大きく変わってきました。豊岡市でいうなら、もともと城崎温泉に外国人観光客が多く訪れる環境があったところに、さらに幼稚園・保育園の頃からALTを入れるなど英語教育に力をいれているのです。

 東京一極集中が通用するのはいつまでなのか。すでに、同心円状ではなくマダラ状に格差がついてきているのが2019年だとしたら、今後はどうなっていくのか

 みなさんは親として、これからの子どもたちに求められる力とは何か、時代の変化に伴い対応しながら、感じ取り、子どもとともに考えていく必要があるわけです。

 となると具体的にはどんな力か、気になると思いますが、私自身は「多様性」と、それを前提にした「協働性」が力になると思っています

 ではその多様性、協働性はどうしたら身に付くのか。

 これは、「いろんな人がいたほうがグループのパフォーマンスが上がるという経験をたくさんすること」だと思います。