DIYとは、Do it yourself (自分で作ろう)の意味。日々時間に追われる共働き世帯にとって、少し縁遠い話題かもしれません。しかし今や世はDIYブーム。DIYを取り巻く環境は、驚くほど進化しています。DIYの最大の魅力は、自分の暮らしにぴったりのものが手に入ること。「あったらいいな」が実現することで、共働きの悩みが解消され、そのうえ、未来を生きる子どもたちに必要な力を育むとしたら――。共働きに“一石二鳥”、あるいは“一石三鳥”のDIYアイデアの数々を紹介していきます。

 今回は、平安伸銅工業の3代目社長の竹内香予子さんに、DIYの魅力をたっぷり語っていただきます。“突っ張り棒博士”としても活躍する竹内さんに、目から鱗の、共働き向け「突っ張り棒技」を5つも教えてもらいました。

【共働きだからこそ「一石二鳥DIY」特集】
(1) DIYで共働きの悩み解消!親子で楽しめるワザ公開
(2) 少しの「DIY精神」が子どもにもたらす大きなメリット
(3) 片付けない、勉強しない子に「自分で!」を促すDIY
(4) 突っ張り棒博士が教える 共働きに効く家事時短テク ←今回はココ
(5) 増殖する子どもの作品問題 編集部員がDIYで楽しく解決
(6) 簡単・オシャレ!「100円雑貨リメイク術」

初期投資は少なく、生活の変化に合わせて暮らし方を変える

突っ張り棒博士の竹内香予子さん。全国紙の新聞記者を経て、父親の病気がきっかけで、突っ張り棒のシェアナンバーワンの家業を継いだ。主力製品だった突っ張り棒の原理を使ったDIY商品を充実させるなどして、老舗企業の強みはそのままに、新規部門を開拓。夫も同社に入社。共働きで国内外を奔走する毎日を過ごす。
突っ張り棒博士の竹内香予子さん。全国紙の新聞記者を経て、父親の病気がきっかけで、突っ張り棒のシェアナンバーワンの家業を継いだ。主力製品だった突っ張り棒の原理を使ったDIY商品を充実させるなどして、老舗企業の強みはそのままに、新規部門を開拓。夫も同社に入社。共働きで国内外を奔走する毎日を過ごす。

 「私たちの親の時代と違って、今は右肩上がりの世の中ではありません。親の世代は、ある程度の初期投資をして不動産を買い、値段が上がれば売り、また新しい不動産を買って、というスタイルが主流でした。一方、私たちの世代は、初期投資はできるだけ少なく、でも自分の生活スタイルに合わせて、その都度工夫してどんどん暮らし方を変えていく、という人が増えている気がします」と平安伸銅工業の3代目社長の竹内香予子さん。

 竹内さん自身もそんな暮らし方を実践しています。「自宅は中古マンションを買ってリノベーションしましたが、あえて棚や壁は作ってもらわず、未完成の状態で納品してもらいました。自分の生活スタイルに変化があれば、今後もどんどん変えていくつもりです」

 徹底してこだわっているのは、家に自分をはめるのではなく、家を自分たちの暮らしに合わせること。「既成の家の間取りは、必ずしも動線を考えて作られているわけではなく、たまたま空いたスペースを収納にしている場合も多いもの。でも『〇〇入れ』と示されると、人間は不思議なものでそれを入れなくてはと思い、心の底で不便やストレスを感じているケースも少なくありません

 「私自身は子どもはいませんが共働きで、国内外の出張も多く、時間に追われる毎日です。家事の時短は課題でした。でも、自分の暮らしに合った小さな仕組みをDIYで作ることで、日々の生活がぐんと楽になりました」と竹内さん。

竹内さんの自宅の本棚。実はここにも突っ張り棒のアイデアが隠れている(詳細は次ページから)(写真提供:平安伸銅工業)
竹内さんの自宅の本棚。実はここにも突っ張り棒のアイデアが隠れている(詳細は次ページから)(写真提供:平安伸銅工業)
<次のページからの内容>
・5つの突っ張り棒技を公開
・ここにちょっと掃除道具を置くことができれば
・カーテンに隠れた部屋干しスペースも作れる
・応用したい!収納内の仕切りとして使う方法
・カフェ風の絵本棚も実現
・「突っ張り棒がすぐ落ちてしまう」のはなぜ?