家を“ルンバ仕様”に設計

小沢 掃除→ルンバ、食器洗い→食洗機というふうに、ハード(道具)で置き換えられるなら取り入れます。そこには結構コストを投入します。今の住まいは5年前に建てたのですが、ルンバがどこまでも動けるように、ワンフロア内での段差を取り除きました。

―― おうちの設計を、ルンバ仕様に!

小沢 家を建てるときに、洗濯環境だけはどうにかしようという話にもなりました。子どものいる生活になって一番変わったのは、洗濯です。洗濯の量がケタ違いに増えるし、毎日洗濯機は回さないといけない。回しても、洗って干して汚して、また回して…という。

―― そう! 「着るものがないから洗濯」では済みませんよね。

小沢 外干しを前提にしていたら、雨の日が続いたときがつらい。乾燥機付きの洗濯機を買うのは当然ながら、室内にも干せるし、野外では屋上にも干せるよう間取りを工夫しました。外でも干せるし室内にも干すスペースを確保してあり、浴室乾燥もつけました。最悪の場合、乾燥機にやってもらう。前の家の物干しスペースがプアでつらいと妹尾のストレスがあったので、今の家は、洗濯に関しては、かなりリッチにしました。

―― ハードで解決、いいですね。

小沢 買い物は、食材含めてネットでほぼ済ませてます。箱ティッシュやビール、洗剤など、定期便にできるものはすべてそうしています。レジャーとして「買い物に行く」ことはあっても、家事としての買い物はかなり削減しました。一度、家にはまだトイレットペーパーがたくさん残っているのに、定期便のキャンセルを忘れて大量に届いてしまったことはありますけど(笑)。ない!と慌てて買いに行く状況になるほうが、面倒です。換気扇などヘビーな掃除は、専門家にお願いしてます。

―― 相手のした家事に口出しすることはありますか? 例えば、洗濯物の干し方が悪い! とか。

小沢 ほとんど言わないし、言われないですね。洗濯を例にすると「服は洗えて、乾けばいい」のであって、僕も妹尾もそこまで精度や効率を求めていません。義母がうちに数日間滞在したとき、僕が干した洗濯物を干し直しされたことがありました。あれはムッとしますね(笑)。仕事でもそうですが、完全に任せてもらえたほうが考える余地が生まれて「やらされ感」も減りますよね。あ、でも食洗機の詰め方は、お互いに割と言うかなあ。量を入れたい妹尾と、精度を上げたい僕との「流儀の違い」ですね。

―― パパ料理のアドバイスも欲しいです。料理好きが高じて、「給食系男子」というユニットで『家メシ道場』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)というレシピ本も出されています。始まりは、「妻が苦手だから料理をするようになった」とのこと。そこからどうすれば、料理本を出すまで積極的になれますか。

小沢 おいしいモノが食べたい。だから自分で作っているだけです! 「自分のストレスを減らすため」の選択として自分で作るし、「おいしいものが食べたい」から研究する。乾き物のおつまみだけでの飲み会、あれが学生のときから嫌だったんですよ。

―― お子さんも好んで食べてくれて、よく作る料理はどんなものですか。

小沢 冷凍のフライドポテトを揚げたりするのが、一番よく食べません? カロリー的な観点からそこまでしょっちゅうは作りませんが、よくねだられます。手の込んだものを作っても、子どもは大して喜ばない(笑)。子どもが自分で作れて、親も子も食べて満足できるのは、ローストビーフですかね。

 友達のフードアクティビスト・松浦達也さんに教わったやり方で、焼くというより、じわじわと温めるに近い感覚で、何度もひっくり返しながら、ゆっくり仕上げていきます。シンプルなので子どもでもできます。松浦さんの『家で「肉食」を極める!肉バカ秘蔵レシピ 大人の肉ドリル』という本に詳しく紹介されていますので、チェックしてみてください。