親がそのままの僕を応援してくれるようになったのは、上京してからです。テレビに出るようになり、「僕らしい姿」で支持されているのを見てから。「これまで、りゅうちぇるのことを止めようとしていた。ごめんね」と母親から謝られました。

 自分らしくいることこそ、自分の幸せをつくっていくことですよね。

 では、自分らしさってなんでしょうか。大切なのは、自分の「好き・嫌い」を細かく知ることです。

 「好きなものが分からない」と嘆く人は、自分の好きを見つけようとしていないんです。僕は、自分が好きな自分になるために、いろんな映画を見て、いろんな音楽を聴いて、いろんな洋服に出合って、自分の「好き・嫌い」を研究し続けてきました。

自分が好きなものを集めた先に「自分らしさ」がある

 「こんな人になりたい!」と目標となる憧れの人をつくって、その人に近づくために、メイクやファッションをまねるなど、形から入るのもすごく大事です。まねしてもまねしても、そこからはみ出すのがその人の個性です。

 自分の好きを細かく知っていくと、自分の弱さや足りないところも丸ごと含めて自分を好きになっていける。自分を好きになると等身大の自信を持てるし、自分にとってキラキラした自分で日々いることができます。

 万能感のある10代の時には、多くの人からどんどん夢が出てきますよね。あの時の希望に満ちた感覚を持ったまま大人になるくらいじゃないと、なりたい自分をつかむハングリー精神は沸いてきません。いろんなことにぶつかるかもしれないけれど、うまくいかないときも自分の好きを大事にして、自分を、自分らしさを愛してあげる。そんな気持ちがあれば、負けずに登っていけます。

 「自分らしく生きよう」。タレントとしての活動を通しても発信し続けていきたいし、息子のリンクにも、「自分をしっかり愛すること」を伝えていきたい。言葉で説明してもなかなか伝わらないことだから、行動で見せ続けたい。

 ものが分かる年齢になったとき、「パパとママは、どんなことがあっても、他人に何を言われても、マジで自分の道を行くな!」。そんなふうに受け取ってもらえるとうれしいです。

取材・文/平山ゆりの 撮影/加藤 康