進学先は、中学校の同級生が一人もいない高校を選びました。入学前の春休みに「りゅうちぇる」のアカウントでTwitterを始めました。ファッションは、髪をレインボーカラーにしてくるくるに巻いて、本当の自分好みで表現しました。Twitterのフォロワーも増え、入学式には「あの奇抜なりゅうちぇるだ!」と何人かが声をかけてくれたんです。SNSをきっかけに本来の自分をそのまま出し、自分のままでみんなとなじむことができました。

 放課後地元に戻ると、変貌ぶりをからかう元同級生もいました。でも僕には居場所があったから気になりませんでした。高校生活はとても楽しかった。自分のいる場所は自ら探してつくるものだと学びました。卒業後は上京してファッションで勝負しようと、将来の道への自信の源にもなりました。

 でも、そんな僕の姿勢に対して、親は扱い方に戸惑っていました。

 両親は、沖縄の島で育った本当に素朴な人たちです。幼いうちなら「水色のランドセルがいい!」「スーパースターになるから!」というのもかわいいで済んでいたけれど、高校生になってもその延長だから不安になったみたい。

ルールだから「○○しなさい」は納得できなかった

 東京でこんなファッションがはやっていると取り入れて楽しんでいたら、「やり過ぎでしょう?」「普通の格好をしなさい!」「金髪じゃなくて、みんなと同じようにしたら?」と、子どもに言っちゃうような教育でした。地元の人たちにいろいろ言われて世間の目もあったようで。

 僕は曲げませんでした。親にとがめられた時、「なぜ抑えないといけないの?」という僕の問いに納得できる答えを返してもらえなかったから。

 自分らしく居続けることと、他人に対する思いやりなど人として大事なことは両立できます。信じる道を行くなら個性を爆発させていい。表現だから。