今年3月に掲載した「気になる! 隣のデュアルの家計事情」特集で、DUAL読者調査をしたところ、読者の4分の1以上が2000万円以上の世帯貯蓄の持ち主だったことが判明しました。そこで、DUAL編集部では、その2000万円以上の貯蓄を持っている読者に追加取材を実施。その他、4分の3を占める、貯蓄2000万円未満の人たちでもまねできそうなノウハウを聞き出しました。今回は、既にお子さんが大きい共働きママ(現在、2000万円以上の貯蓄を持っている)にお金の貯め方を伺いました。お金の貯め方は人それぞれなので、このママの方法がすべて正しいというわけではありませんが、ヒントにはできるはずです。「使い時」も含めて参考になる話が満載です(本文中の年収は、税引き前です)。

【私たち、こうして2000万円貯めました!】
(1) 読者25%が2000万貯蓄 年150万以上も36%
(2) “2000万円貯蓄済み読者”の貯めワザ公開!
(3) 家族旅行好き2000万貯蓄ママ 子2人高校も公立 ←今回はココ
(4) 夫婦のお金は一括管理しなくてもOK カギは教育費
(5) 保育園時代は貯めどきではない?保険の見直しも重要
(6) 貯蓄だけではもったいない FP直伝お金の増やし方

【家族構成】
上村淳子さん(仮名)48歳・企業勤務、夫49歳・企業勤務、長女19歳(大学2年)、長男16歳(高校1年)

【世帯年収】現在1900万円

【住まい】渋谷区内・戸建て

毎月「先取りの10万円」に加えて「余裕資金12万円」を貯金

 今回お話を伺ったのは上村さん。現在の貯蓄額は約2300万円だそうです。まず伺ったのは「誰が家計を管理しているのか」という質問です。

 「結婚してすぐ、『お金の計算は面倒だから』と夫からすべてを一任されました。そういえば、結婚前のデートのときも『今日はここから出して』とお財布をポンと渡されていましたね」

 夫からの深い信頼を感じる言葉です。家計をしっかり管理しているご家庭では、利用する口座の数も整理しているという印象がありましたが、上村家では銀行口座を夫婦で9つ使い分けているといいます。

 「わが家の家計管理に実は自慢できるほどの戦略はないんです。結果的に口座が9つになっているという状況で。まず、勤務先から給与が振り込まれるのがゆうちょ銀行。それに、勤務先近くにあって便利なみずほ銀行。その他、昔住んでいた家の近くにあった三菱UFJ銀行と、住宅ローンを管理するための三井住友銀行。これらの銀行に、すべて夫婦で別々に口座を持っているので8つ。それとは別に、夫のプライベート用の口座が1つあります。三菱UFJ銀行の口座はほとんど使っていません」

 計画的に貯蓄するためには「先取り貯蓄」が有効、という話を聞きます。給与が振り込まれたら、一定額を先に引き出して貯蓄用口座に移すという方法です。上村さんご夫妻は“結果的”に先取り貯蓄をすることになっているようです。というのも……、

 「2004年に住宅を購入後、繰り上げ返済をして10年以内に完済しました。ローン返済期間中は、夫婦それぞれの給与から毎月5万円ずつ三井住友銀行の口座へ自動的に振り分けるようにしていましたが、ローン完済後も『別にこれは変えなくていいんじゃない?』ということでそのままにしてあります」

 それ以外の貯蓄についても詳しく伺いました。

 「給料日後にゆうちょ銀行に行き、口座に新しく振り込まれた給与分を残し、残金を引き出します。大体、私の口座から20万円、夫の口座から40万円、合計60万円を引き出すことになります。そのうち6万円を1カ月分の『食費』とし、銀行の封筒に『食費』と書いて入れます。さらに、20万円をもろもろの1カ月分の『生活費』として『生活費』と書いた封筒に入れます。夫にはお小遣いとして月12万円、現金で渡します。私のお小遣いは10万円です。残りの12万円は、大体は夫と自分のみずほ銀行にそれぞれ6万円ずつ振り込みます。ただし、想定外の支出があるなどで入れられない月もあります。家計簿は一応私が付けていますが、特に見直すことはしていません。ひと月ごとに大体の感覚で家計を管理しているイメージです」

 というわけで、1カ月で、住宅ローン返済用だった先取りの10万円に加えて、みずほ銀行に夫婦6万円ずつ、合計22万円。1年で264万円を貯蓄している計算です。

 上村さんのお話の中に一度も出てこなかったのが「クレジットカード」という言葉です。

 「私も夫も古い人間なのかもしれませんが、クレジットカードは怖いというイメージがあります。なので、わが家は極力『現金主義』。ETC使用料や避けられないネット通販支払い以外は現金しか使いません。光熱費や通信費なども振込用紙を送ってもらって、コンビニなどで振り込むようにしています」

 気になるのが教育費です。既にお嬢さんは教育費の負担が最大になる大学生時代に突入しています。これまでどう教育費を貯め、今はどう使っているのでしょう。ユニークな上村さん一家の教育費事情に切り込みます。

<次のページからの内容>
● 習い事は長女はピアノと空手。長男は水泳のみ。2人とも塾はナシ
● 「中学校までは公立!」というのが夫の信念。結局、高校まで公立
● 固定費は特に削っていない。削っているのは……
● 貯め上手の上村家が「ドン!と使う」ところは?
● 家族みんなが仲良しなのも、貯め上手への道