今年3月に掲載した「気になる! 隣のデュアルの家計事情」特集で、DUAL読者調査をしたところ、読者の4分の1以上が2000万円以上の世帯貯蓄の持ち主だったことが判明しました。そこで、今回DUAL編集部では、その2000万円以上の貯蓄を持っている読者に追加取材を実施。その他、4分の3を占める、貯蓄2000万円未満の人たちでもまねできそうなノウハウを聞き出しました。ぜひ参考になさってください。本文中の年収は、すべて税引き前です。

【私たち、こうして2000万円貯めました!】
(1) 読者25%が2000万貯蓄 年150万以上も36%
(2) “2000万円貯蓄済み読者”の貯めワザ公開! ←今回はココ
(3) 家族旅行好き2000万貯蓄ママ 子2人高校も公立
(4) 夫婦のお金は一括管理しなくてもOK カギは教育費
(5) 保育園時代は貯めどきではない?保険の見直しも重要
(6) 貯蓄だけではもったいない FP直伝お金の増やし方

 日経DUALが実施した調査結果から、2000万円以上の世帯貯蓄を確保している回答者のみを抽出し、その属性を分析してみました。

 まず住居形態です。「戸建て」と「集合住宅」を合わせると「持ち家」がちょうど全体の50%となりました。つまり、家の頭金を払い、ローンを完済したり、今でも住宅ローンの支払いを継続していたりと、家計にとっては大きな金額を使ったうえで、さらに2000万円を貯蓄できている世帯が全体の半分を占めているということが分かります。

 次に、家計管理の主導権を握っているのは夫婦どちらか、という部分に焦点を当ててみます。「どちらかというと夫」「夫」と夫に軍配が上がるのは、全体の12.5%となり、「妻」「どちらかというと妻」は合わせて47.5%で、およそ全体の半数を占めます。“2000万円貯蓄世帯”では、比較的「妻」が財布のひもを握っているようです。また、「どちらも同じくらい関与している」(27.5%)という世帯も多いようです。

 では、本業以外の収入はどうでしょう。本業以外の収入が「ある」と答えた人は47.5%、「ない」と答えた人は52.5%となっていることから、“2000万円貯蓄世帯”の半分以上が本業以外の収入を持たないことが分かります。一方、本業以外の収入がある人に副収入の中身を聞いたところ、「株式運用や投資信託による利益」が30%と、最も多いことが分かりました。

 お待たせしました。このような背景を踏まえたうえで、“2000万円貯蓄世帯”の「これならやろうと思えばできるかも!」というマネー術を聞いてみました。ぜひ参考になさってください。

Aさん:マンションを購入するも、6年で完済

 お1人目は小4のお子さんをお持ちの52歳パパ、Aさんです。「電気、電子機器」企業に勤務し、年収は700万~800万円未満。妻の年収は400万~500万円未満です。車は所有し、結婚4年後に両親からの支援(250万~350万円)を受けてマンションを購入されています。

 Aさんは言います。

 「(マンションは)背伸びして購入したつもりでしたが、購入後、貯蓄をすべてローンに回していたところ、6年間で返済することができ、自分でもびっくりしました」

 習い事に対しては潔い考え方を持っています。「節約しているわけではありませんが、小学生で習い事に通わせる必要性を感じません。この時期は時間を習い事に費やすのではなく、遊ぶことに費やしてほしい」と考え、塾にも通わせていません。「Z会の通信教育のみ自宅で行っており、それで十分と感じています。サポートは親による指導でカバーしています」とのこと。

 順調に貯蓄できているAさん。マネー管理では計画性を重視している印象がありますが、そんなことはない、と言います。「最終的な貯蓄目標などは特に定めていません。無理して貯蓄をしている意識はないので、計画も立てていません。現在でも十分な貯蓄額がありますが、使い道も決めていません」

 家計管理では奥さんが主導権を握っているとか。「家計は妻が一括して管理しています。私(夫)としては、妻の一元管理は本意ではないのですが、妻に言わせると、私は『金融に関する意識とスキルが低いので、任せられない』のだそうです。今は年に2~3回、現在の資産状況を確認しています」

 では、Aさんのお買い物術を見てみましょう。

<次のページからの内容>
● ジムは高額なスポーツクラブではなく、市の体育館で十分
● 無駄な出費はしないが、趣味でイタリア製の大型バイクと国産の小型バイクは購入
● 買い物は50円でもクレジットカードを利用し、マイルを貯める
● 洋服やバッグはユニクロかメルカリのみ
● 賃貸は2年ごとに家賃の値下げを交渉し、別荘はAirbnbで旅行者に貸す
● 習い事費用のメリハリ術とは?
● 3500万円の貯蓄があっても、まだ不安