皆さん、お金の話は得意ですか? 苦手ですか? この連載では「ずっと苦手なまま、ここまで生きてきてしまった!」という「お金ニガテさん」に向けて、「そっからですか!」というところから、ファイナンシャルプランナーでハートマネー代表の氏家祥美さんに、恥を忍んでいろいろ聞きます。

仕事や子育て、家事にてんてこ舞いで、日常を回すのに精いっぱい。苦手意識のあるお金や家計についてじっくり考える時間はなかなか取れない。数字やお金の話は読む気力が起きない。でも、「老後破産」という言葉を見聞きするとドキッとしてしまう――。そんな「お金ニガテさん」も、肩の力を抜いてぜひともお楽しみください。共働きだからこそ、ある程度緩くてもいい。でも、もし今、小さな罪悪感やアンフェア感を抱いたり、共働き生活を「しんどい」と感じていたりするなら、もしかしてお金について考えることが解決の糸口になるかもしれません。

保育料の無償化によるメリットを享受するために「先取り貯蓄を」

―― いよいよ。最終回です。お金ニガテさんには、ハードルがマックスに高く見える「投資」について聞いてみたいと思います。そもそも投資ってすべきなのでしょうか。

氏家祥美さん(以下、氏家) それを考える前に、貯蓄についてまずおさらいしておきましょう。

―― 子どもが小さくて、保育料が高い時期は「ため時ではない」。それどころか、家事のアウトソーシングを利用するなど、共働きを維持するために必要経費をかけてもいいくらいの時期なので、お金の「かかり時」。そういうお話でしたよね!

氏家 その通りです。ただ、今はため時ではないからといって、何もしなくていいという意味ではありません。ちゃんと見通しは立てておきましょう。2回目で見たように、今後30年間のライフプランと突き合わせて、子どもが何歳からなら月何万円を貯金できて、その積み上げで何歳までにはいくらためられる、と考えてみる。そのように見通してみて、もし苦しい部分があるなら、例えば「中学から私立へ行かせたい」「子どもが○歳のときに持ち家を買いたい」などの、希望プランを見直す必要があるかが分かってきます。

―― やはり、ある程度計画したほうがいいのですね……。

氏家 いいニュースもありますよ。前回、保険料などの固定費を見直したら、すかさずその金額だけ自動積立定期預金にすること、とアドバイスしましたが、10月からの幼児教育・保育料の無償化も、浮いた分を先取り貯蓄に切り替える絶好のポイント。取り分けておかないと、変動費として普通に日々使ってしまうかもしれません。これまでは教育費のため時は小学生からと言っていましたが、幼児教育・保育料の無償化で3歳からに前倒しできる人は多いと思います。

―― 「浮いたらすぐに取り分け」が肝心ですね。ところで、一般的に皆さん毎月どれぐらいためているものなのでしょうか。