いつかやろう、今度こそ勉強しよう…常々そう思いながらもなかなか機会がない、始めても3日坊主で終わってしまうもの。その最たるものといえるのが「英語」でしょう。

 小学校での教科化も間近に迫る中、これからのグローバル社会を生きる子どもたちにとっても、英語はいよいよ必須のスキルになっていくと想定されます。と同時に親自身も、ビジネスで英語を使ったコミュニケーションを求められる場面が今後ますます増えていくでしょう。そんなときに、仕事の内容そのものではなく、「伝える手段」に自信がないばかりに与えられた機会を逃すようなことがあってはあまりに惜しい! 今こそ本気で英語に向き合い、子どもにも頑張る親の背中を見せませんか?

 何かを習得するには、ただやみくもに取り組んでも成果は上がりません。そこでこの特集では、忙しいデュアラーが限られた時間を有効に使って実践的な英語スキルをどう身に付けるべきかを考えていきます。特集第1回では、通訳・翻訳者として活躍する川合亮平さんに、短時間でできて、かつ効果の高い英語の学習法についてお話を聞きました。

【忙しい人限定! 本気のオトナ英語特集】
第1回 “時短”かつ効果も高い「最強の英語学習法」とは ←今回はココ
第2回 外資系ママが公開 超集中!実践英語スキルの磨き方
第3回 デイビッド・セイン 英語習得の秘訣は「脳内留学」
第4回 合理的な言語習得には「大量のインプット」が不可欠
第5回 編集部員が敢行 外国人ワーママに英語インタビュー

英語の学習効果は「時間×集中力」で決まる

 「高校時代は、英語は赤点ばかりで完全に落ちこぼれでした」

 そう語るのは英語の通訳・翻訳者として活躍する川合亮平さんです。現在は、発音もネイティブに間違われるほどでまさに“英語のプロ”と言える川合さんですが、一体どのような飛躍があってそうなったのでしょうか。

 「学生時代に英語が大の苦手だったこともあり、英語とは関係のない芸大に進んだのですが、毎日の生活に意味が見出せず、現実逃避といった意味合いも含めて、20歳のときにバイトでためたお金を使って3カ月間の語学留学をしました。英語が全くできないままオーストラリアに行ったのですが、英語でコミュニケーションができることの快感をそこで初めて知りました。といっても、“Hello!”くらいしか言えないレベルだったのですが(苦笑)。

 でもその経験から、英語を突き詰めてもっと話せるようになりたいと思い、大学を退学。退路を断って、猛勉強を始めました。書籍や通信教育、テレビ、ラジオなど、お金があまりかからないあらゆる勉強法や教材を試してみて、3年間でTOEICも860点ほど取れるようになり、英会話講師になりました。それ以降も“自分には難しいかな”と思えるような英語の仕事に挑戦していくうちにどんどん英語のレベルが上がり、今はイギリスと日本を行き来しながら、高い英語スキルを要求される様々な仕事を受けるフリーランスとして働いています」」

 多くの教材を試し、英語の実力を確実に高めていったという川合さんは、英語学習をするうえで大事なことは“時間×集中力”を意識することだと話します。

 「いくら長い時間をかけて勉強しても、イヤイヤやっていると集中力に欠けるので学習効果はあまり出ません。逆に時間は短くても、興味のある教材に集中して取り組めれば、大きな効果が得られます。忙しい共働きパパ・ママが英語を勉強するのなら、後者しかありません。ぜひ“時間×集中力”を意識して勉強してみてください」

 英語の学習法を選ぶうえでは、“自分に向いているか”“上達が少しでも感じられるか”が重要だと川合さんは続けます。

<次のページからの内容>
● 初心者の“英語の聞き流し”は効果なし!
● 早く身に付けるには“切迫感”もキーワード
● 英語の勉強を続けるコツは“時間と場所”と“数値目標”を決めること
● 一人でできる最強の学習法は「音読」
● 通勤中でもできる“コスパ最強”の教材はNHKの「ラジオ英会話」
● 英語上級者を目指す人は、ひたすら良質なインプットを