まだ、多くの職場に残る「休みを取りづらい」「定時に帰りづらい」という風潮。「日経ウーマンオンライン」と共働き読者が多い「日経DUAL」の共同企画では、「しっかり『休み』、早く『帰る』ための方法」を読者アンケートと識者に徹底取材しました。第5回の今回は「速く正確にクリエーティブに成果を上げる会社」として知られるグーグルで働く女性二人を取材しました。

【日経ウーマンオンライン×日経DUAL 共同企画】
(1)なぜ私たちは上手に「休む」「定時退社」できないのか(日経ウーマンオンライン無料会員限定)
(2)会社で地道に実践「定時退社&確実に休む」読者工夫(日経DUAL有料会員限定)
(3)仕事が速い人は何が違う? 定時退社できる10の習慣(日経DUAL有料会員限定)
(4)職場にも貢献「帰る&休む」が上手な読者のワザ公開(日経DUAL有料会員限定)
(5)グーグル流・高速仕事術を徹底解剖 5つのポイント(日経DUAL有料会員限定) ←今回はココ
(6)定時退社が上手な会社の社員が「あえてやらない」こと(日経ウーマンオンラインに掲載)

 労働時間や残業時間にとらわれることなく働き、高い成果を出すグーグル流の働き方。日ごろからどのように働き、早帰りしているかをアジア・パシフィック地域のAndroidプラットフォームのビジネスをサポートしている五木田菜津紀さん、主に外部の代理店を交えてマーケティング施策を企画している松下実希さんに話を聞きました。二人が実践している高速仕事術を5つのポイントにまとめました。

##1.社内外でスケジュール共有。早めに「自分時間」を確保

DNS(Do not schedule)で自分の作業時間を確保する

 現在、Androidプラットフォームのビジネスをサポートしている五木田さん。アジア・パシフィック地域を担当し、よく連絡を取り合うインドとはマイナス3時間、アメリカ本社とはマイナス16時間という時差がある中で仕事を進めています。

 「特にアメリカ本社とは時差が大きいため、『日本時間の7時30分以前には絶対に会議を入れないでください』と事前にお願いしてあります。早朝会議の場合は自宅で参加します。仕事のスケジュールはGoogleカレンダーで管理し、必要に応じて社内外の関係者と共有しているため、会議や商談の予定でどんどん埋まっていく。だから、切羽詰まっているときほど『社内でSIMカードを取りに行く』といった30分もかからない用事や、移動時間、準備時間などをカレンダーに書き込んで、『自分の時間』を確保しています。

カレンダーが埋まる前に、仕事での「自分時間」を必ず確保します
カレンダーが埋まる前に、仕事での「自分時間」を必ず確保します

 この『DNS=Do not schedule(スケジュールを組まない時間)』があると、プロジェクトを進める際にも余裕を持たせられるので、計画が破綻しません」(五木田さん)

 一方、子どもが生後4カ月の時に週3回の時短勤務で復帰し、8カ月の時からフルタイム勤務をしている松下さん。プロダクトマーケティングマネジャーという立場で、キャンペーンなどの企画ごとに外部の広告代理店と連絡を取り合うため、「とにかく打ち合わせが多い」そうです。スケジュールを可視化するため、やはり社内外の関係者とGoogleカレンダーを共有しています。

 「子どもは3歳になりました。今は保育園の送り迎えの時間帯は打ち合わせが入らないようにGoogleカレンダーで予定を事前にブロックしています。お迎えの日は18時30分には会社を出ています。社内と外部の調整、動画編集など作業時間の読めない仕事もあるので、自分のペースで仕事を進めるのは難しいのですが、なるべくできる範囲でコントロールするようにしています。

<次のページからの内容>
◆夫と仕事や家事の予定を管理 「聞いてないよ」を減らすコツは?
◆デジタルだけに頼らない アナログノートとの併用術
メール、チャット、Docsの使い分け グーグル社員のやり方
◆会議30分を可能にする事前のゴール決め、漏れ防ぐ共有資料
家でも通勤中でも会議に参加できる 超時短システム
休み中の仕事はチームや同僚に任せる文化 どうつくる?
プライベートでも効率を上げれば、ムダな時間はもっと減らせる
柔軟に働ける分、グーグル社員が意識する「コミット」とは?