児童文学作家の藤野恵美さんは小説の参考文献として育児書を手に取り始めてから、これまで1000冊もの育児書を読んできました。育児書に触れていく中で、子どもを産む決意をし、今では9歳のお子さんを育てています。

この連載では、まずは小説の参考文献として、その後は「子どもの頃の母との関係」と向き合うために、そして今では親として、とさまざまな目線から育児書に向き合ってきた藤野さんに、子育てをする中で気になるテーマに沿って選んだ育児書を紹介してもらいます。

 育児書を読んでいくうちに、私は「シュタイナー教育」と「モンテッソーリ教育」というものを知りました。

 どちらの教育法も、自分自身の成長過程においては触れる機会がなく、そのようにして育てられた人物と会ったこともないのですが、本で読むと、非常に良さそうに思えたのです。

 育児書を読み始めたころ、私には「正しい方法で育児を行えば、子どもは正しく育つ」という思いがありました。多くの育児書が「このように育てるとうまくいく」あるいは「失敗したくなければこうしなさい」というようなことを伝えています。

 しかし、いろいろな文献を読むうちに、どうやら親の育て方でどうにかできることは限られているようだ……と分かってきました

 生まれたばかりの赤ちゃんにも、すでに「個性」がある。実際に、子どもを育てる経験をして、私はそれをつくづく痛感しました。人間の性格は「持って生まれたもの」が、かなり大きいようなのです。

 では、子どもの「個性」はどのようにして見極めればいいのでしょう。そして、その「個性」を伸ばすためになにができるのでしょうか。

 今回は「個性」をテーマに、シュタイナー教育について語りたいと思います。

次ページから読める内容

  • 子どもを観察することが大切
  • 大人は自分をコントロールしなければならない
  • 独自の教育方針は勇気がいる
  • 息子の将来について考えてみることは無駄かもしれない

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