児童文学作家の藤野恵美さんは小説の参考文献として育児書を手に取り始めてから、これまで1000冊もの育児書を読んできました。育児書に触れていく中で、子どもを産む決意をし、今では9歳のお子さんを育てています。
この連載では、まずは小説の参考文献として、その後は「子どもの頃の母との関係」と向き合うために、そして今では親として、とさまざまな目線から育児書に向き合ってきた藤野さんに、子育てをする中で気になるテーマに沿って選んだ育児書を紹介してもらいます。
いま、日本で子育てをしている方は、なんとなく「ほめて育てるのがいいらしい」ということが頭にインプットされているのではないでしょうか。
私自身にもそのような認識があり、では、この情報をどの育児書を読んで得たのだろうかと考えても、具体的なタイトルは浮かばなかったのでした。
気づかないうちに、いつのまにか刷り込まれていた「ほめて育てる」という思想……。いったい、それは、どこから、どのように広まったのでしょうか。
そこで、いろいろな育児書を読み返してみたものの、実際のところ「ほめて育てる」ことだけを推奨している育児書というものは見つけられなかったのでした。
逆に、ほめる子育てに警鐘を鳴らしている本は、すぐに見つかりました。
その名もズバリ『ほめると子どもはダメになる』(著:榎本博明、新潮新書)です。

次ページから読める内容
- 若者の自己肯定感の低さで「ほめて育てる」動き
- 「ほめる」という言葉のあいまいさが誤解を生む
- 第三の手段「勇気づけ」との出合い
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