児童文学作家の藤野恵美さんは小説の参考文献として育児書を手に取り始めてから、これまで1000冊もの育児書を読んできました。育児書に触れていく中で、子どもを産む決意をし、今では9歳のお子さんを育てています。

この連載では、まずは小説の参考文献として、その後は「子どもの頃の母との関係」と向き合うために、そして今では親として、とさまざまな目線から育児書に向き合ってきた藤野さんに、子育てをする中で気になるテーマに沿って選んだ育児書を紹介してもらいます。

2回目は、妊娠中に子育てをするための「予習」として、読むようになった育児書について語ってもらいます。

育児書で子育てを予習した

 子どもがいなかった頃は小説を書くための「資料」だった育児書ですが、妊娠中には自分が子育てをするための「予習」として、読むようになりました。

 自分の親は、あまり「子育てがうまい」とは言えない人間でした。なので、育児書を読んで「正しい子育てのやり方」を学びたいと思ったのです。

 育児書を読み始めた頃、私が「なんて素晴らしい親なんだ!」と感銘を受けたのが、ドロシー・ロー・ノルトの『子どもが育つ魔法の言葉』(訳:石井千春、PHP文庫)でした。

 この本が訴えているのは「しつけのために子どもを叱ったり、口先だけで教え込もうとするのではなく、親が良いお手本を見せる」ことの大切さです。

次ページから読める内容

  • 本の一文に勇気づけられる思い
  • 本当に「親の育て方」ですべてが決まる?
  • 親の育て方より遺伝的要因、仲間集団での立ち位置

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