生のパンダは少し前まで見たこともなかった
岡山 描きやすいのかな?(笑)特に「パンダ大好き!」というわけではないんですけどね。ほんの数年前まで、本物のパンダを見たこともなかったですし。
―― (爆笑)生のパンダを見たことなかったんですか!
エイイチ 「パンダ親父」の作者がパンダを見たことなかったなんて。これはスクープですね(笑)。
―― パパも子どもも動物なのに、ママだけ人間なのはどうしてですか?
岡山 本のあとがきで詳しく書きましたが、奥さんまで動物だと、あまりに世界観がファンタジーになりすぎて、読者が共感できないかなと思ったんです。主要な登場人物が動物という以外は至って普通の、リアルな世界ですからね。現実世界とのリンクを外さないようにしたかったんです。
でも、実は一番の狙いは、「なんで奥さんだけ人間なの?」と聞かれたい、突っ込まれたい、つまり「ちょっと引っ掛かってもらいたい」ということなんです。少しでも読み手の心に残るようにと。だから、その質問はまさに僕の狙い通りなんですよ(笑)。
エイイチ 不思議な世界観ですよね。誰も登場人物の中でそれにツッコむ人もいないですし。
岡山 子どもは保育園の友達含めて、全員動物にしました。でも、運動会などで撮影しているパパの中には犬がいたりして、なんかもうメチャクチャなんです(笑)。
―― でも、計算して引っ掛かるようにちゃんと世界観を考えているということですね。まんまと引っ掛かりました。エイイチさんも、スキンヘッドを前面に出したことやママを出さないことは計算だったんですね。みんな計算高いですね(笑)。
エイイチ あ、記事にするときは妻のアドバイスじゃなくて、僕の戦略だって書いておいてくださいね!
―― 嘘はダメですよ。
構成/荒木晶子 イラスト/岡山進矢、エイイチ
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